2011年04月02日

Londonの"人と犬"達

今回のイギリスの旅では、最後にロンドンを訪れました。
3/15の夕方、国際宅急便で荷物を送るためにピカデリーサーカスの三越に車を走らせたのですが、交通事情の厳しさにびっくりしました。市の中心部は渋滞もひどい上にギリギリに幅寄せするのが当たり前な感じで、ドキッとさせられることも何度か。レンタカーを返してホテルまでキャブを拾ったのですが、そのキワドい運転と言ったら、京都のタクシーも裸足で逃げ出しそうなほど...
郊外を走っている時には、みんな飛ばすけれどマナーが良い(クルマとの付き合いが成熟している)国だなぁと感じていたのですが、都心部で運転するとストレスが溜まりそうに思いました。まぁ、日本だろうが英国だろうが、私はもう都会には住むつもりはないのであまり関係ないのですが。

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犬と人との付き合い方を見て来たいという思いの旅。ロンドンで一番行きたかったのはハイド・パークでした。とは言っても、The Surpentineより西側は Kensington Gardensなんだということもわかっていなかったので、実にイイカゲンな思い込みだったわけですが...ふらふら
帰りの Heathrowまでの交通の便も考えて、Corus Hotel Hyde Parkを予約してありました。上の写真の真ん中の建物なのですが、この道路を挟んで南側にはケンジントンガーデンが広がり(部屋の窓からも公園が眺められました)、両公園をつなぐ Marlborough Gateの入り口まで 100mというロケーション。
朝食を食べ終わると、あいにくの曇り空(&ガス)を恨めしく思いながらも、そそくさと散歩に出かけました。

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入り口すぐの所にある The Fountainsと呼ばれるエリア。
犬の写真の看板は、"このエリアでは犬をリードに繋いでください"というものですが、その理由は"水鳥を護るため"と書かれています。なんかイイ感じでしょ!

Kensington Gardensの利用規則が5項目掲示されているポスターも見かけましたが、その内の2つは犬に関する項目でした。
一つ目は、"犬は歓迎します。でもちゃんとコントロールしておくこと。犬を放していい場所とリードに繋ぐべき場所を守ってください"というもの。なお、リードが必要な場所は、ここを含めてごく一部だけのようです。
もう一つは、"汚したままにするのは違反です"というもの。あちこちに設置されている Dog Waste Binに片付けろということのようです。

能書きはこれくらいにして、両公園内の雰囲気を写真中心で紹介しましょう。

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どこの国でもラブラドールは同じですね。飼い主さんが放ったボールを尻尾ブンブンさせながら銜えて来ては、足下にボトッと落として瞳をキラキラさせながら投げてもらえるの見上げてましたよ。わーい(嬉しい顔)

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Kensington Gardensの側を The Long Water沿いに少し歩くとピーター・パンの像があります。彼はこの公園で迷子になってしまったんですね。

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公園内は、いたるところに犬連れでのんびり散歩している人達がいらっしゃったのですが、こうやって一緒にジョギングしている人も何人か見かけました。

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これもそんなペアの写真。おじさんはストップウォッチ片手の本格派?ですが、あまり足が速そうじゃないブルテリア君は遅れて到着という図です。

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左の丸いのが一般用のゴミ箱、右の箱が犬のウ○チ専用です。
彼の国では、この処理のためにずいぶん税金が使われるそうで、そのために犬の入れない公園も増えてきているとどこかで読んだことがあります。そんな理由で規制をかけなきゃいけないのなら、日本のように飼い主が持って帰る習慣をつければ良いのになと思ってしまいますね。

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ハウンド系(たぶんクロス)のこの犬は左後肢がありませんでした。でも、他の犬とあまり変わらない速度で駆け足して仲良く遊んでいるのが妙に嬉しくてシャッターを押したものです。

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サーペンタイン橋を渡って Hyde Park側を歩きます。
コッツウォルズもそうだったのですが、あちこちで(特に水辺では)人に馴れた鳥達をたくさん見かけました。

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そこらじゅうで、(おそらく)知らない犬どおしが出会っていたわけですが、一度も吠えて威嚇するといったシーンは見かけませんでした。たいていはちょっと挨拶し合って(場合によっては少し一緒に遊んで)、それぞれの飼い主の方に戻るというパターン。
犬種や躾の影響もあるのでしょうが、やはりリードで繋がれてなければ(自由と自信を与えられていれば)、うまくコミュニケーションできるってことなんでしょうかね?

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飼い主と犬の距離が結構離れていること多いのにも少し驚かされました。中央に写っているペアはかなり近い状態です。後ろの子なんか誰が飼い主なのか、よくわかりませんでしたもの。
複数の飼い主さんの犬どおしが走り回って遊び始めても、人間の方はそれを気にすることなく、それぞれ自分達のペースでそのまま歩き続けるという光景も何度も目にしました。そのうち戻ってくるという信頼関係がきっちりできているようですね。

というわけで、ハイド・パーク、ケンジントン・ガーデンズで見かけた人と犬の散歩風景には、(もともとそういうものだと聞き知ってはいたわけですが)やはりカルチャーショックを受けました。
数十頭の犬を見かけたわけですが、リードで繋がれていたのは2-3頭だったはず。遊んでいる興奮で吠えたのは聞きましたが、何のトラブルも起こらないし、飼い主が慌てているシーンも皆無。もちろん犬連れではない方が嫌な顔をする(あるいは避けて通る)なんていうことも全くなかったはずです。

日本のあちこちの公園(やドッグランで)で繰り広げられる(と聞いている)狂想曲との違いは何がもたらしているんでしょう?
ただ羨ましいと思うだけではなく、この成熟した(と私には思われる)関係に少しでも近づける努力をしたいと強く胸に刻んで公園を後にしました。


ロンドンの他の場所も少しだけ。

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カミさんがここだけは行きたいと言ってたのが The Sherlock Holmes Museum。
Paddington駅構内で荷物を預けて、Baker街まで歩いて出かけました。隣にあった Beatles Storeもいろんな面白いものが並んでいて楽しめましたよ。

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もう一カ所、私がロンドンでどうしても行っておきたかったのが Battersea Dogs & Cats Homeです。
Crufts展も120回目ということで、その歴史の長さに驚かされたわけですが、こちらは更に上をいく 150周年を昨年迎えたというレスキュー組織の草分け。Mary Tealby氏が設立したのは 1860年だそうです!

施設内は撮影禁止なので写真はありませんが、メイン・オフィス、譲渡希望者が面接を受けているところ、新しい飼い主を待っている犬達の部屋などを見学させていただきました。
ネットで見かけたことのある TierheimDogs Trustの最新の施設に比べると少し古い印象も受けましたが、おそらく日本では考えられないレベルの生活環境を保護動物達に与えておられました。
譲渡可能犬の部屋は中心となる建物の2階から4階までに200数十設置されています。一つの部屋には一頭ずつが収容され、おおよそ 2m X 3mの個室部と、二頭(二部屋)で交互に使用すると思われる 1m X 4mくらいのバルコニーが(つまり一頭当たり約8uくらいの空間が)用意されています。多少臭いはありましたが、常に清潔を保つような最善の処置がなされているように思います。また、ボランティアの腕章を付けた方が、一頭ずつ引き出して散歩に連れて出られるのも見かけました。

200頭あまりを見て歩けたのですが、そのほとんど(9割以上)が Staffordshire Bull Terrierとそのクロスが占めていることには驚かされました。残りは Akitaや Rottweilerなどが少しだけ。難しそうに思える犬種ばかりなのですが、見学できたのは全てお見合いができると判断されている(Batterseaが管理している中の一部の)犬だということを考えると、きっちりした飼い主候補が応募して来られるということなのかもしれませんね。その時はスタッフォードシャーの大量レスキューでもあったのかと思いましたが、帰国後に検索してみると、伝統的?にバタシー(ロンドン本部?)ではこの犬種の収容数が多いようです。
ある意味で悪名高い犬達が不用意に繁殖させられているという厳しい現実の一端を見せつけられたということだったようです。

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バタシーから市の中心部に戻る際に、初めてダブル・デッカーに乗りました。更にパディントンに移動する時にはチューブも。
実は、ロンドンバスや地下鉄では、犬連れの方が当たり前のような顔をして乗っておられるのに遭遇できたらなぁと期待していたのですが、残念ながらそれは叶いませんでした。ちょっと残念。ふらふら

大災害のこと、初めて長期間に渡って預けてきたファルコのことが気になり続けた一週間でしたが、予定を繰り上げて帰るのが困難だと諦めた時からは、せっかくの機会を活かしたいと気持ちを切り替えて(不謹慎かもしれませんが楽しみながら)いろんなものを見てくることができました。
今後それらをどう利用していけるかが私の課題だと認識しています。


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ロンドンの公園で楽しそうに散歩する犬達を紹介したので、ファルコのルンルンな散歩シーンも一枚。

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長いお留守番をさせて申し訳なかったね。
きっとその埋め合わせはするから!
posted by Tosh at 23:57| Comment(3) | イギリス

2011年04月07日

今を生きてるファル

イギリスから帰って来て半月あまりが経ちます。
ハナ母さんちに迎えに行った時から、ファルコは私たちが旅行に出る前と全く同じ日常に戻ってくれました。

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ニコニコしながら散歩を楽しみ、

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鼻を膨らませて山の空気を嗅ぎ、

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森の中を駆け回る。

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シャイなゴウ君に遊ぼうと迫り、

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ノリノリのジェイミーちゃんと意気投合して、

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爆天君の方からも誘ってもらいました。

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実家でリリィのかーちゃんさんにも遊んでもらったし、

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(ハンドラがダメダメだったけど) GRTの練習会にも行きました。

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暖かくなってきたので、お散歩の後の朝食を外で食べることも...


犬は、過去を悔やむことも、未来を思い悩むこともなく、"今"を生きていると言われますね。
その言葉が完全に正しいのかどうかはわかりませんが、ファルコを見ていると、確かに"この瞬間"を一所懸命に生きているように思えます。

見習わなければいけないのかもしれません。

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posted by Tosh at 23:31| Comment(7) | ワンズ日記

2011年04月10日

コブシ満開の春の日

昨日の土曜日、午前中に雨が上がると本格的な春がやってきました。

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麓の街では既にサクラが満開ですが、ウチの庭のソメイヨシノは昨日の午後から一輪、また一輪と蕾がほころび始めたばかりです。
今日の陽気でもまだ一分咲きにもなっていないので、今度の週末頃が満開になるんじゃないかと思います。

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地方選挙の投票を兼ねて朝のお散歩へ。会場の集会所を管理してくださっている方が、きれいなガーデンを作ってくださっています。感謝。

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気持ちの良いお天気だったので、アスレチックコースへ足を向けました。山のあちこちでコブシが満開になっています。
新たなルートを辿っていつもの広場でのんびりしていると...

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カイ君がやってきました。
猟犬のブリーダーさんから迎えられた子だけあって、野山に来るとイキイキしていて、すばらしい運動能力を発揮します。

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飼い主さんが"水に濡れるのが大嫌い"とおっしゃってたのですが、ファルコと遊んでいるうちにジャバジャバ自分から小川に入るようになりました。
この夏には水泳友達になれるかな?

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カイ君と別れて池の脇の公園まで帰ってきたら、リキ君に出会いました。
いつもパンの耳をくださるので、ファルはすかさずおねだりモードです。わーい(嬉しい顔)

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ラブちゃんも久しぶりです。小柄でかわいい子です!

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長い散歩を楽しんで、昼前にウチまで帰ってきたところ。
後ろの山で白っぽく見えているのは全部コブシです。なぜか昨年はあまり花を付けなかったのですが、今年は見事に山を彩ってくれていますね。

午後の部は続きを読む
posted by Tosh at 23:44| Comment(3) | ワンズ日記

2011年04月11日

猪に荒らされても

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前回の記事で紹介したような立派なものではありませんが、ウチの庭にもコブシの仲間は咲いています。右上の淡いピンクの花、ヒメコブシです。

実は左上の方にはピンクユキヤナギも写っているんですよ。
というわけで、花の季節の到来。久しぶりに庭の様子をご紹介しますね。

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サクラはまだまだなんですが、似た感じのアーモンドの花は満開です。

昨年の12月以降、何度もイノシシに侵入され、球根類はもちろん宿根草まで大きなダメージを受けたのですが、幸いなことに樹木はほとんど被害に遭いませんでした。

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ヒュウガミズキも満開です。
春の早い時期の花色としては、淡いピンクはほっとさせてくれ、黄色はなんとなく元気付けてくれるように感じます。

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イノシシの攻撃を全く受けなかった草花もたくさんあります。
クリスマスローズもその一つ。だいぶ大株になってきたので、そろそろ株分けをしてやらなきゃいけませんね。

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シバザクラも無事だったようです。まだ白色のものは咲いていませんが、少しずつ広がって斜面の庭を明るくしてくれています。

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ファルコの足下にある紫色のは野生のスミレ。

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この辺りは徹底的に荒らされた場所の一つですが、今年はたくさんのスミレが咲いて、他の花の不在を埋め合わせてくれました。

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どこからかやってきて、寂しくなりそうだった庭を助けてくれているのはタンポポも同じです。ありがたいものですね。


12月の襲撃ではチューリップの球根は掘り起こしても食べずに転がしてあったのですが、年明けから2月までの攻撃ではそれが標的になっていました。イノシシにとっては好物ではなさそうですが、もうそれしか食べるものが残っていなかったのでしょう。100球以上植えてあったいろんな種類のチューリップで生き残ったのは数株だけです。

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玄関からメインガーデンへの階段部。枕木毎に毎年花を咲かせてくれていたチューリップのあった場所は深く抉れた穴が並んでいます。新しい土を入れると、何か植えたんじゃないかとすぐに掘り返されるので、諦めモードで放ったらかしにしてあったのです。

写真の左上の辺りはムスカリを壊滅させられた場所です。かなり大株に成長してくれていたので非常にショックでした。
その後も同じ場所を何度か掘り返されたことを悔しいなぁと思い出しながら眺めていると、少し外れた場所に小さな紫色のものが見えました。

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なんと、ムスカリの小さな花が2本伸びてきているではありませんか!
徹底的に荒らされた場所の近くで、こぼれ種から新しい命が育ってくれていたのです。

思わず小躍りしそうなほど嬉しくなりました。気を良くして庭のあちこちを見て回ると、別の場所にも1本だけ育っているのが見つかり、斜面の隅の方では10本くらいの株が生き残っているのも発見しました。
もうダメだと勝手に諦めてしまっていたのですが、私が思い込んでいたよりも、ムスカリはしたたかで生命力に溢れていたようです。

イノシシに食べられてしまった球根や、掘り返してバラバラにされた宿根草は、たしかにもう戻ってはきません。
ですが、それを引き継ぐ命も育っているし、どこかからやって来た草花が寂しくなった庭を補完して盛り上げてくれてもいる。
何度も荒らされた場所はすぐに元に戻ることはできないかもしれません。しばらくの間は別の場所で力を蓄えた方が良いこともあるでしょう。ですが、私達が投げ出してしまわない限り、その場所を以前以上に素敵な花で飾ることは必ずできるはずですよね。

私はこの場所でムスカリを育て続けるつもりです。
posted by Tosh at 23:58| Comment(0) | 庭の様子

2011年04月17日

A magic day

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暖かい日が続いていますね。
ファルコんちの庭のサクラもほぼ満開になりました。
また一日遅れになっちゃいましたが、昨日(4/16日)午後の記録です。

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ゴールデンの男の子を、しばらく居候として迎えることになりました。
この子はARKさんが東北の被災地で保護をした子の中の一頭、このページに載っている【ARK名:I'm OK】です。

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2週間前、ほぼ10年ぶりにARKさんを訪ねて、留守番時間が長いという問題点を打ち明けた上で、里親募集中の子達の一頭を譲っていただけないかという相談をしました。
こういう(被災地からどんどん動物達がやってくる)状況や、ファルコという誰とでも仲良くできそうな先住犬が居ることも加味して、特別に許可をいただけたのです。

里子を迎えるにあたって、私達夫婦としてはできるだけファルコの負担(ストレス)にならない犬しか選べないと考えていました。それと、バベシア症を媒介するマダニが多い地域なので(これは私達の手間の節約という勝手な理由ですが)、白っぽい色の子が望ましいとも。
もちろん ARKさんもこういう私達の希望を理解してくださっていました。

翌週末に家族全員でお見合いに伺って、ファルコと相性の良さそうな子を選ぶ予定もしていたのですが、ちょっとした事情で延びてしまいました。

そんな状況の中、先週11日にARKさんの新しいニュースが掲載されたのです。

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その時に"飼い主さんを探しています"とされていた犬達の中で、4/9に保護されたラブラドールのメスと 4/8の【I'm OK】が居ました。
ラブラドールにすっかりハマっている私としては、黄ラブの子のことが気になり始めてしまいました。ゴールデンもフレンドリーな子であれば相性は悪くないはずだし... とも。

実はそれまでは、なかなか飼い主さんが見つからなかった場合に情が移ってしまわないかとの不安もあり、里親募集中の子達も一般家庭に戻れる日を待っていることに変わりはないので、一時預かりは慣れたボランティアさん(がいらっしゃるなら)に任せた方が良いんじゃないかと考えていました。

が、今回の災害で保護された子達は、長い間放浪を強いられ、まだARKさんの生活にも慣れていないことを考えると、いずれ飼い主の元に帰る子であっても私達がきっちり愛情を注いでやる覚悟があれば、一時預かりという形の方が良いかもしれないとも思い始めたのです。

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家族揃ってARKさんにうかがってファルコを見ていただいた後、まず気になっていた二頭に会わせていただきました。相性が悪そうなら里親募集中の子達とお見合いさせていただくつもりだったのですが、どちらも良い子で問題はなさそうです。
黄ラブの若いメスは本当にラブラドールらしい子で、人にも犬にも"遊んでぇ!"という感じ。自分からは全く同じような挙動をするくせに、勢い良く来られるとちょっと引いてしまうこともあるファルは、この子に対しても少し躊躇する素振りを見せました。
【I'm OK】の方はゴールデンっぽくむしろ私達夫婦の方に擦り寄るので、ファルコは適度な距離感を保てそうにも思えました。
悩んだ末にこの子を預からせていただくことにしたのです。

先ほど ARKさんのページをチェックしたところ、昨日以降に新たに12頭の犬がやって来たことと一緒に、件の黄ラブの飼い主さんが見つかったことが記載されていました!
本当に良かったねぇ!!

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という経緯でやってきたこの子。
ARKさんで会った時はおとなしい子だなと思っていたのですが、結構ネコをかぶっている部分もあったようです。
家に着いたら超元気印! 飛び付くし、いろんなものを咬もうするし...
しつけをほとんどされてなかった可能性もありますが、数週間に渡って彷徨っている中でそんなことも忘れざるをえなかったのかもしれませんね。

でも、性格はとっても良い子です。
お散歩でもあまり引っ張らないし、会った人や犬に対してもフレンドリー。ファルのようにグイグイ寄っていって嫌がられることもありません。

きっと飼い主さんもこの子のことを探しておられることと思います。
一日も早く、本来の家族の元に帰ることができますように!

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いつまでかわかりませんが(むろん、飼い主さんが見つからなければ一生)、この子と付き合っていく際に決めなければいけないことがありました。
【I'm OK】には、ファルに解除のキューとして使ってきた"OK"が入っています。混乱させたくないのと呼びにくいとも感じたので、ウチの子でいる間の名前を付けたいと思ったわけです。

ちょっと暴れん坊な(パピーのまま大きくなった)感じもするのですが、ゴールデンらしい天真爛漫さから"自然児"のイメージが頭に浮かびました。
というわけで、ウチでの名前は"Nature Boy"をはしょって "Nat"、ナットと呼ぶことにさせていただきます。よろしくね、ナット!

奇しくも Nat King Coleが演じたことで Jazzのスタンダードになっている "Nature Boy"の歌詞を引用させていただきます。

Nature Boy (Eden Ahbez)

There was a boy
A very strange enchanted boy
They say he wandered very far, very far
Over land and sea
A little shy and sad of eye
But very wise was he

And then one day
A magic day he passed my way
And while we spoke of many things
Fools and kings
This he said to me
The greatest thing you'll ever learn
Is just to love and be loved in return


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イノシシに荒らされて、ほんの少ししか残されなかったチューリップ。その最初の一輪が鮮やかな色合いで花開いてくれました。
春の訪れとナットとの出会いに感謝!
posted by Tosh at 21:30| Comment(8) | ワンズ日記

2011年04月21日

春夏コンビ、結成

ファルコもナットも元気にしています。
昨日はかかりつけの獣医さんにナットを診察していただいたのですが、血液検査の結果でもほとんど何も問題が見つかりませんでした。フィラリアも陰性! 痩せていることさえ改善すれば、健康体と言えるようです。良かったねぇ!

ナットは新しい生活にもだいぶ慣れてきたようで、日々新しい面を見せてくれます。嬉しいこともあれば、心配の種だったりもするんですけどね...
前回はナットをお預かりさせていただけることになった経緯を書いたのですが、もう少し今の彼らの様子を書き留めておきたいと思います。

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やってきた当日、4/16の一コマです。
年上あるいは身体の大きい子にはほぼ必ずプレイバウで遊びをねだるファルコですが、ARKさんで初めて会った時からナットにはそういう素振りは見せませんでした。その時はたくさんの知らない犬達が居て緊張してたのだろうと思ったのですが、ウチに帰ってきた直後も、"追いかけて!"と遊びには誘うもののプレイバウは見せません。しばらく居候することが直感でわかって、先住犬のプライドがそうさせているのかなぁ?

この時にはまだ、ファルコもナットも事情が飲み込めないようで、特にファルはちょっとためらう表情も見せていたのですが、一日経った頃には、両者ともにお互いをそれなりに受け入れている感じになりました。

というわけで、ファルとナット > ファルナッ > ハルナツ というちょっと強引な語呂合わせで、"春夏コンビ"が結成されたわけです。わーい(嬉しい顔)

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16日夕方の初めてのお散歩。箱入り娘ならぬ"籠入り"のサクラちゃんとも仲良くしていました。この写真は挨拶を終えて別れる時のものですが、もっとサクラちゃんと遊びたかったのか、お父さんを気に入ったのか、この時だけは本気で追いかけようとしたのですが、それ以外は今日に至るまで、ほとんど引っ張ることもせずゆったりと落ち着いて散歩ができるナットです。

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ただ、17日の朝のお散歩では、少し違った面も見えてきました。
上の写真はナットをフェンスに繋留しているところを撮ったもの。なぜそうなったかというと、お散歩で会った相手の犬が吠えるとか攻撃の表情を見せると、すぐさまナットも対抗して吠えてしまうからなのです。

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この時の相手はガウディ君でした。ファルにはいつも優しい子なのに、かなり本気でナットを襲おうとしていたのでビックリしました。
# 手前は日に日に大きくなっているダイスケ君。

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今日までにたくさんの散歩友達の犬達や飼い主さんと出会ったのですが、ほとんどの子達とは(おおらかな性格の子は全て?と)仲良くできています。
が、多少神経質な要素のある子だけを注意していれば無問題かどうかは、現時点では私にはわかりません。少なくとも今のナットには心の余裕が少なそうなので(なおかつ日毎に変化もしてきているので)、後々に悪い影響を残さないよう注意しながら他の子達に近づけている毎日です。

なお、散歩中にナットが自分から他の犬に吠えることは、今までのところ一度もありません。初めて会ったどの子に対しても、尻尾をゆったり振りながらむしろフレンドリーに近づいて行こうとします。ただ、ほとんどの相手に対してプレイバウを見せるファルコのような能天気さはありませんね。
# まぁ、ファルが特別なんだと思いますケド...

それが、相手がマズルに皺を寄せただけで、急にスイッチが入ったように(後ずさりしながら/攻撃行動には直結せず)吠えたりする。それに刺激されて更に相手が吠え立てるという悪循環も二度ほど経験しました。
# これも、どんなに吠えられようが哭かれようが、困った顔をするだけのファルとの生活では経験しようがなかったことです。

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相手によっては吠えることを除けば、お散歩での苦労はほとんどありません。
が、室内に入ると暴走機関車のような勢いで、アチコチ走り回って、高い所に飛び付くは、いろんなモノを噛もうとするはで、今日の段階でもいつになったら"放牧"できるか見当がつきません。というわけで、今はまだ人が居る時でも、ファルの"お部屋"(サークル)に入れています。ファルは長時間の留守番時も完全放牧に切り替えました。
# 写真のエリザベスカラーは、ARKさんで去勢手術を受けたため。

連れてきた初日(16日)は、(庭遊びや散歩時はそうでもなかったのに)サークルの中ではかなりのストレス感じているようで大変でした。
長時間ずっと歩き回り、サークルに飛び付き、ほとんど座ったり横になったりすることがありません。疲れ果ててからは時々眠ってはいたようですが、ほんの少しの物音に反応して飛び起きるという一夜でした。
バリケンに入れて暗くするということもやってみたのですが、興奮状態は全く治まらなかったので、当分の間の"お部屋"に慣れてもらう方を選んだのです。

上の写真は月曜日(18日)朝のもの。私達夫婦が身支度をしている雰囲気に反応したのかナットがヒンヒンと哭き始めると、ファルコが別の部屋から駆けて行ってサークルの脇に横たわったところです。"大丈夫だよ"と言ってるようにしか見えませんでした。

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ウチはどうしても長時間のお留守番をさせることになるので、室内トイレを早く覚えて欲しいのですが... どうやら居室側よりこちらの方がくつろげるようです。シーツはグチャグチャにしちゃうし...もうやだ〜(悲しい顔)
18日は4時間余り、19日と昨日は7時間前後のお留守番を春夏コンビにさせたのですが、両者とも慣れないトイレではオシッコもしていませんでした。
(おそらくは外飼いだったろうと思われる)ナットのトイレトレーニングは長時間我慢ができるだけに手こずりそうですね。いろいろ手強いなあ...

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2日くらい経つと少し落ち着いてきてテラスには出せるようになりました。最初の勢いでは暴走して落っこちそうだったことを思えば進歩です。
ストレスが溜まっているせいか、ナットは噛むことが好きなようです。オモチャであれば良いのですが、私の服装(腕も含むふらふら)なんかもガブガブと... もっとも甘噛み的なものなのですが、そのうち興奮してきてエスカレートする点が少し気掛かりになっています。

ちょっと苦労話っぽくなってしまったので、後は写真中心で。

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ファルコんちのサクラは一番良い時を迎えています。近所ではだいぶ散ったものもあるのですが、庭の三本は昨日からはらはらと散り始めたばかり。

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まだまだ落ち着きのないナットですが、甘え始めると正にゴールデン。ベタベタされるのを苦手とするファルコとは対照的に、いつまででも撫でていて欲しい様子です。また、そうしていると落ち着いてくるので、ファルとの関係に注意しながら、今は安心してもらうことを重視しているところです。

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実は、ナットを預かり始めて以来、私達夫婦の間ではファルコに対する再評価が続いています。嫉妬はしないだろうと予想していたのですが、むしろいろんなシーンでナットを気遣う優しいお兄ちゃん役を買って出てくれているのです。さらに、ナットが羽目を外しすぎた時などは(吠えたり噛み付いたりこそしませんが)毅然とした態度で立ち向かったり...
ヘラヘラした気の良いだけの男の子じゃなかったんだねぇ!

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全滅させられたと一時は諦めていたスノーフレーク。こぼれ種で育ち始めたムスカリの横で、今年も小株ながら可憐な花を咲かせてくれました。
きっと少しずつ良くなっていくはずです。きっと。
posted by Tosh at 12:43| Comment(6) | ワンズ日記

2011年04月24日

春の花とお散歩と

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ファルコんちのソメイヨシノも散り始め、葉桜になりつつあります。
代わりに満開になったのはジューンベリー(手前の白い花)。

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昨日は小雨に濡れながらの散歩しかできなかったのですが、今朝は曇り空ながらも春の花を愛でながら散歩に出かけることができました。
もうシャクナゲが艶やかに咲いているお宅の前で記念撮影。でも、ファルにはソッポ向かれ、ナットにはあくびをされちゃいました。ふらふら

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アスレチックコースの入り口、ジンジャーのお母さん達が育ててくださっているスイセンが見事に咲いています。

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一つ上の写真もそうですが、一週間前に比べるとナットは柔らかい表情をしていることが多くなりました。だいぶ慣れてきてくれたのかな?

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今日は2頭ともフロントラインをしたばかりなのでカラーでお出かけだったのですが、いつものハーネスの時と違い、ナットがグイグイ引っ張るのは意外でした。昔のファルもそうだったけど、ゼェゼェ言いながら先へ行こうとするのはみっともないよ、ナット。もうやだ〜(悲しい顔)

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陽気なジェイミーちゃんと遭遇。彼女はファルコよりもナットの方が気になる様子です。同じ犬種ってわかってるのかなぁ?

数日前からなんですが、今朝の散歩でも何頭かのワンズから吠えられたのですが、ナットは一度も吠え返すことをしませんでした。
リードは引っ張ったけど、だいぶ落ち着いてきたように思います。

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この一週間、散歩時にはナットから吠えたことは一度もありません。が、やってきたばかりの先週末には、玄関側の庭に出ている時に、道を通りかかった人とご近所ワンコのエルビン君に吠えたことはあるのです。攻撃という感じでもなかったと思うのですが、外飼いで番犬をしてたのかなぁと思わせる瞬間でした。

エルビン君はめっちゃフレンドリーで、ファルコがチビの頃から"お兄ちゃん"と慕っている子。あの時はビックリさせてごめんね。今週ならきっと意気投合できたと思うんだけどね。(上のは少し前の写真です)

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散歩から帰ってきてしばらくすると、宅急便屋さんが昨日注文した犬グッズを運んできてくれました。
ナットがまだ興奮しやすい(緊張している)ことについて、みかちゅーさんからサンダーシャツが良いとアドバイスをいただいたのです。
まずはファルコに試着。ナット(痩せている今の胸囲は76cm)用のLサイズなので、胸が深い(胸囲81cmの)ファルにはぎりぎりでした。

先週末に撮った花の写真などをもう少し紹介しておきますね。続きを読む
posted by Tosh at 23:58| Comment(12) | ワンズ日記

2011年04月27日

さよなら、松の木

ファルコんちは私達が購入する少し前まで住宅街の中に残された荒れた森でした。後でご近所の方に聞いたのですが、イノシシの巣があったそうな。

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土地を購入した2006年の写真です。元はいろんな樹が生い茂っていたようですが、入手した時には既に不動産業者が敷地の中央辺りの落葉樹をほとんど伐採してしまった後でした。
周辺部にはコナラやリョウブといった木々も少し残っていたのですが、10mを越える樹木のほとんどはアカマツ。しかも10数本のうちで松枯れ病にやられていないのは2本だけでした。片方はリビングの目の前を塞ぐので伐ることにしたので、結局ウチの庭で生き残ったマツは一本だけ。車の後方で右に傾いて生えているのがそうです。

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元から生えていた山の木をできるだけ残したいと考えていたのですが、立派なコナラを含めて雑木類が多かった南側の斜面は、法面を30度以内に削らなくてはいけなかったため、全て伐り倒すことになってしまいました。
結局、5mを越える大きな樹で残すことができたのは 8本だけ。その中でも一番存在感があったのが件のアカマツだったのです。

自然な雰囲気の庭にしたいと考えていたので、いろいろ調べた結果、F2スタジオさんに庭の骨格となる部分を造っていただきました。その際、ガーデナーの方も東隣のお宅のものとペアになったマツを活かしたデザインを考えてくださったのです。
ところが残念なことに、庭と家ができて入居した半年後には松枯れ病に冒されてしまいます。樹木医さんに来ていただいたものの助けられず、赤茶けた枝葉を落としていただき幹だけの姿になってしまったのが、ちょうど 3年ほど前でした。この辺りのことは"キツツキの好きな松"でも触れましたね。

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先週末の日曜日(24日)、ついに幹の部分も伐っていただくことになりました。
枝葉を落とす時にはツリークライミングの技術で登って、人力で枝を降ろしていただいたのですが、幹が傷んでいるので安全確保のためと、作業効率や他の庭木を痛めないために今回はクレーン車が来てくれました。

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木の強度を確認する意味もあってでしょうか、最初に10mくらいの高さにある枝をチェーンソーで伐ってくださっているところ。クレーンがこの位置までしか届かなかったために、切り離した枝が人間に当たらないように計算された吊り下げ位置と伐り方をされています。

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次は真ん中辺りを伐っておられます。作業されている場所の上側の幹/枝の長さは 7mくらいでしょうか。

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複雑な形だったのに、吊り下げ箇所がきれいに重心の真上で、クレーン担当の方も絶妙な操縦をされていたので、分離された時には全く振れることもなくユラリと持ち上げられて運ばれて行きます。息の合った素晴らしい技術に感動しました!

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長い幹を伐り、最後に根元の部分を分離された直後です。後で測ってみたら、根元の直径は60cmありました。手前のは最初に切り落とされた枝です。

高さ15mほどもあるマツを伐採していただくわけなので、実は何本かの庭木はダメになるかもしれないと覚悟をしていました。が、実に見事に処理されて、平地部分が狭い庭にもかかわらず他の木へのダメージは全くありません。
ありがとうございました!

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時系列を遡って、作業が始まった時の斜面の庭です。右上に見えているマツはもうありません。
枝葉の付いていない幹だけだったのですが、無くなってみるといかに存在感があったのか思い知らされました。家の方から眺めると、その辺りにポッカリと違和感のある空間ができていて寂しく思う毎日です。

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春夏コンビもテラスから伐採の様子を見学させてもらいました。
"エラい音を立てて、なんかやってはりまっせぇ!"と言いたげなファルコ。
ナットの方も、サークルの中に居る時に大きな木が空中を運ばれているのに一度吠えたくらいで、特に興奮することもなく見守っていました。
あ、ちなみに(前の記事のコメントにも書いたのですが)、この写真の時もサンダーシャツの装着位置が変です。本当はもっと前の方に着せるべきでした。

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ついでにもう一枚、昨夜の写真を載っけておきましょう。
ナットが来た当初はしなかったのですが、最近はよくプロレスごっこをするお二人さん。たいていはファルがちょっかいを出して始まるんですよ。
でも、室内で(特にソファーの上で)暴れるのは禁止だよ!!
posted by Tosh at 23:23| Comment(0) | 庭の様子