3/15の夕方、国際宅急便で荷物を送るためにピカデリーサーカスの三越に車を走らせたのですが、交通事情の厳しさにびっくりしました。市の中心部は渋滞もひどい上にギリギリに幅寄せするのが当たり前な感じで、ドキッとさせられることも何度か。レンタカーを返してホテルまでキャブを拾ったのですが、そのキワドい運転と言ったら、京都のタクシーも裸足で逃げ出しそうなほど...
郊外を走っている時には、みんな飛ばすけれどマナーが良い(クルマとの付き合いが成熟している)国だなぁと感じていたのですが、都心部で運転するとストレスが溜まりそうに思いました。まぁ、日本だろうが英国だろうが、私はもう都会には住むつもりはないのであまり関係ないのですが。


帰りの Heathrowまでの交通の便も考えて、Corus Hotel Hyde Parkを予約してありました。上の写真の真ん中の建物なのですが、この道路を挟んで南側にはケンジントンガーデンが広がり(部屋の窓からも公園が眺められました)、両公園をつなぐ Marlborough Gateの入り口まで 100mというロケーション。
朝食を食べ終わると、あいにくの曇り空(&ガス)を恨めしく思いながらも、そそくさと散歩に出かけました。

犬の写真の看板は、"このエリアでは犬をリードに繋いでください"というものですが、その理由は"水鳥を護るため"と書かれています。なんかイイ感じでしょ!
Kensington Gardensの利用規則が5項目掲示されているポスターも見かけましたが、その内の2つは犬に関する項目でした。
一つ目は、"犬は歓迎します。でもちゃんとコントロールしておくこと。犬を放していい場所とリードに繋ぐべき場所を守ってください"というもの。なお、リードが必要な場所は、ここを含めてごく一部だけのようです。
もう一つは、"汚したままにするのは違反です"というもの。あちこちに設置されている Dog Waste Binに片付けろということのようです。
能書きはこれくらいにして、両公園内の雰囲気を写真中心で紹介しましょう。






彼の国では、この処理のためにずいぶん税金が使われるそうで、そのために犬の入れない公園も増えてきているとどこかで読んだことがあります。そんな理由で規制をかけなきゃいけないのなら、日本のように飼い主が持って帰る習慣をつければ良いのになと思ってしまいますね。


コッツウォルズもそうだったのですが、あちこちで(特に水辺では)人に馴れた鳥達をたくさん見かけました。

犬種や躾の影響もあるのでしょうが、やはりリードで繋がれてなければ(自由と自信を与えられていれば)、うまくコミュニケーションできるってことなんでしょうかね?

複数の飼い主さんの犬どおしが走り回って遊び始めても、人間の方はそれを気にすることなく、それぞれ自分達のペースでそのまま歩き続けるという光景も何度も目にしました。そのうち戻ってくるという信頼関係がきっちりできているようですね。
というわけで、ハイド・パーク、ケンジントン・ガーデンズで見かけた人と犬の散歩風景には、(もともとそういうものだと聞き知ってはいたわけですが)やはりカルチャーショックを受けました。
数十頭の犬を見かけたわけですが、リードで繋がれていたのは2-3頭だったはず。遊んでいる興奮で吠えたのは聞きましたが、何のトラブルも起こらないし、飼い主が慌てているシーンも皆無。もちろん犬連れではない方が嫌な顔をする(あるいは避けて通る)なんていうことも全くなかったはずです。
日本のあちこちの公園(やドッグランで)で繰り広げられる(と聞いている)狂想曲との違いは何がもたらしているんでしょう?
ただ羨ましいと思うだけではなく、この成熟した(と私には思われる)関係に少しでも近づける努力をしたいと強く胸に刻んで公園を後にしました。
ロンドンの他の場所も少しだけ。

Paddington駅構内で荷物を預けて、Baker街まで歩いて出かけました。隣にあった Beatles Storeもいろんな面白いものが並んでいて楽しめましたよ。

Crufts展も120回目ということで、その歴史の長さに驚かされたわけですが、こちらは更に上をいく 150周年を昨年迎えたというレスキュー組織の草分け。Mary Tealby氏が設立したのは 1860年だそうです!
施設内は撮影禁止なので写真はありませんが、メイン・オフィス、譲渡希望者が面接を受けているところ、新しい飼い主を待っている犬達の部屋などを見学させていただきました。
ネットで見かけたことのある Tierheimや Dogs Trustの最新の施設に比べると少し古い印象も受けましたが、おそらく日本では考えられないレベルの生活環境を保護動物達に与えておられました。
譲渡可能犬の部屋は中心となる建物の2階から4階までに200数十設置されています。一つの部屋には一頭ずつが収容され、おおよそ 2m X 3mの個室部と、二頭(二部屋)で交互に使用すると思われる 1m X 4mくらいのバルコニーが(つまり一頭当たり約8uくらいの空間が)用意されています。多少臭いはありましたが、常に清潔を保つような最善の処置がなされているように思います。また、ボランティアの腕章を付けた方が、一頭ずつ引き出して散歩に連れて出られるのも見かけました。
200頭あまりを見て歩けたのですが、そのほとんど(9割以上)が Staffordshire Bull Terrierとそのクロスが占めていることには驚かされました。残りは Akitaや Rottweilerなどが少しだけ。難しそうに思える犬種ばかりなのですが、見学できたのは全てお見合いができると判断されている(Batterseaが管理している中の一部の)犬だということを考えると、きっちりした飼い主候補が応募して来られるということなのかもしれませんね。その時はスタッフォードシャーの大量レスキューでもあったのかと思いましたが、帰国後に検索してみると、伝統的?にバタシー(ロンドン本部?)ではこの犬種の収容数が多いようです。
ある意味で悪名高い犬達が不用意に繁殖させられているという厳しい現実の一端を見せつけられたということだったようです。

実は、ロンドンバスや地下鉄では、犬連れの方が当たり前のような顔をして乗っておられるのに遭遇できたらなぁと期待していたのですが、残念ながらそれは叶いませんでした。ちょっと残念。

大災害のこと、初めて長期間に渡って預けてきたファルコのことが気になり続けた一週間でしたが、予定を繰り上げて帰るのが困難だと諦めた時からは、せっかくの機会を活かしたいと気持ちを切り替えて(不謹慎かもしれませんが楽しみながら)いろんなものを見てくることができました。
今後それらをどう利用していけるかが私の課題だと認識しています。


きっとその埋め合わせはするから!