2013年02月04日

暦どおりは勘弁

今日は立春。七十二候では東風解凍(はるかぜこおりをとく)だそうです。
この冬は、12月からお正月にかけては例年より寒かったものの、それ以降はあまり気温が下がりません。まだウチの温度計は -5℃くらいまでしか記録していませんし、夜の散歩も耳当てを必要としたことはありません。

大寒というのに、このところはとても暖かい日が続きましたね。金曜夜から降った生暖かい雨と土曜日の春のような陽気で、側溝等にひっそりと残っていた雪も完全に消えてしまったファルコ地方です。

暖かくなるのを待ち望んでいる方も多いとは思うのですが、個人的には暦よりも早く春が来ちゃうなんてのは、ちょっと勘弁して欲しいですね。
だって、まだ冬をほとんど満喫してませんもの!

というわけで、昨日(日曜日)はまた雪遊びに遠出してきました。

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一週間前に気に入った場所もずいぶん雪が減っているようなので、そこへ行く前にもっと標高の高い M高原に立ち寄ることにしました。

数日前にスノーハイクを楽しんだというブログを読んで選定した場所だったのですが、残念ながら地面が見えています... ザクザクの雪。

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陽の当たる広場は、部分的に雪が残っているという感じで、深さも10cm止まりです。
もっとも、脚が埋まらないので、駆ける分には楽しそうだったファルコ。芝生が見えている所は避けて、雪の上ばかりを走っていました。

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適度に雪が少ないので、林の中も楽に散策できましたよ。

しばらく遊んでから、車を走らせて前回のポイントを目指します。
途中、一週間前は雪国の様相だった町々にもほとんど雪がないことに驚かされました。どんだけ暖かかったんでしょうね?

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で、前回の二つ目の地点に到着。
かなり量は減っていますし、やっぱりザクザクで重たい雪です。

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雪爆弾は破片が粉状(雪煙)になるのが理想なんですがねぇ...

スキーの練習をしておられる方がいらっしゃったので、邪魔をしないように早々に引き上げることにしました。

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先週の最初に遊んだ場所の近くの展望台。

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そこへの道は除雪されていますが、周りは50cm程度の雪が残っています。

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意外に量は減ってなかったのですが、雪質はかなり悪くなっていました。
以前に経験したようなザラメ状ではないものの、地面に近い所も融けているようです。メタボな私はズボズボと踏み抜いてしまい、長靴の中はすぐに雪だらけに。カンジキが欲しくなりました。

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やっぱり重い雪は体力を使うようですね。前回はハイテンションをキープしていたファルですが、今回は寝そべって体を冷やすことも多かったです。

雪の状態がイマイチでしたが、暦どおりに春がやってくるのを恨めしく思いながら近所の山を散歩しているよりは、ずっと楽しかったはずです。


で、明日からはまた寒くなって新雪が積もるのは間違いなさそうですね。
というわけで、今度の日曜日も繰り出す予定をしているんですよ!
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2013年02月08日

ベルリンとの違い

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少し冬が戻ってきました。
昨夜から降り出した粉雪、今朝は2cmあまり積もりました。今夜の散歩時にもまだ、ふわふわキュッキュッの感触を楽しむことができたんですよ。

という近況とは関係なく、今回は雑記帳ネタ。
いつか触れなければいけないと考えながら、保身(トラブルを避けたいという思い)から直接は話題にしなかったテーマがあります。オフリード。
その一回目です。

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昨年秋の犬の日(11月1日)に放送されたNHKの"地球イチバン「地球でイチバン ペットが幸せな街〜ドイツ・ベルリン〜」"。
ご覧になった方も多いかと思うのですが、人の社会にもっとも犬が入り込んでいるんだろうと思われるベルリンの様子を、映像で見ることができてとても刺激になりました。当たり前のように公共交通機関に乗り込んでいるシーンは羨ましかったなぁ...

もっとも、dog actuallyの熱心な読者であれば、京子アルシャーさんの記事群で紹介されていることも多くて、それほど目新しい話ではなかったかもしれません。一年ほど前に、"旅のチカラ「犬の幸せってなんだろう・・・」"という番組も放送されてましたしね。
犬税やウンチ問題に関しては、美化した誤解?を与えかねない紹介でしたが、あの短い番組の中ではああいった"かいつまみ方"も仕方ないのでしょう。

で、ドイツの羨ましい犬事情がテレビやネットで紹介されると、必ずのように"厳しく躾けられている"という背景が語られますね。"子供と犬の躾はドイツ人に..."といった言い回しの"諺"が持ち出されることも多いと思います。
# ちなみに、この"諺"の出典を調べたことがあるのですが、いまだに判らずじまいです。日本で通説として言われてるだけで、実はそんなのは無いんじゃないかという疑念も拭い去れないのですが...

いずれにせよ、犬たちが街中をリード無しでゆったりと歩き、それを咎める人もいない環境というのに、私は強い憧れを感じます。
ベルリンほどは犬が市民権を得ている?わけではないかもしれませんが、ロンドンのハイドパーク等の様子は自分自身でも見てきました

これらのリードを離されても平気な犬たちってのは、本当に"しっかり躾けられている"のかっていう素朴な疑問を私は抱いてきました。
イギリスで見た飼い主さん達は、特に"躾"に厳しそうという感じは受けませんでした。ドイツに関しても、京子アルシャーさんのこの記事などを読むと、実はそうでもなさそうです。

確かに"犬の学校"等できっちりと(飼い主も)トレーニングをするっていう側面もあるはずですが、京子アルシャーさんの書かれているとおり、自然な犬の行動が認められているために、そして社会性を育むような環境が用意されているために、日本で一般的に危惧されるようなトラブルが起きないのかもしれません。
# 更に言うと、犬種特性を含むブリードの違いも影響しているでしょうね。ドイツでもイギリスでも、都市部で小型犬が増えてきたことによってトラブルも増えてきたという情報もあります。どんな犬でもリードを離して歩けるわけではないようです。

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dog actuallyからもう一つ興味深い記事を紹介させていただきます。
藤田りか子さんのこの記事では、リードを付けるのが当たり前のスウェーデンでは、他のヨーロッパ諸国に比べて、出会った犬同士が"いがみ合う"ことが多いのだそうです。
これは、リードの存在等によって、犬同士の自然なコミュニケーションが阻害されているためと説明されています。そして、その望ましくない行動が習慣化してしまう危険性も。
これって、日本でよく見かける吠え合う犬たちの姿そのものですよね。

実はこの藤田さんの記事は、リアルタイムで読んでいた私に本文以外の部分で衝撃を与えました。それはコメント欄なのです。
dog actuallyの読者層というのは比較的意識の高い飼い主さん達だろうと漠然と考えていたのですが、歯に衣着せぬ言い方をするなら"ノーリードの勧めのように読むバカがいるから書き方を考えろ!"という苦情を、複数の方が書き込んだのです。中には、"日本で公共の場においてのオフリードは条例違反"と明言しろという嘘を強要するようなものまで...
私の"意見"を書きこむべきか迷ったのですが、あのコメント欄で不毛な争いをしても良いことはないだろうと判断したのでした。
その時の"宿題"については別記事にまとめたいと考えています。

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話をベルリンに戻して、あの番組の中で私が最も羨ましいと感じたことを書いておきたいと思います。

街中のインタビューでさらっと流れる一言。
人混みではリードをつける義務があるけど
しつけができていれば問題ない
飼い主の判断に任されているんだ

(NHK番組 "地球イチバン「地球でイチバン ペットが幸せな街〜ドイツ・ベルリン〜」"より)

そう、ベルリンには、実はオフリードを規制する決まりがあるようなのです。京子アルシャーさんのこの記事にも規制があることが書かれていますね。
# 本記事を書くにあたって、具体的な内容を探してみたものの、ドイツ語がチンプンカンプンなもので残念ながら見つけられませんでしたが...

私がなんとなく抱いていたドイツ人のイメージは、日本人と同じように生真面目で規則を守るというものでした。が、ベルリンの犬のリード規制に関しては、歴史的背景や憲法にも謳われている動物愛護精神の本質の方を鑑みて、市民は柔軟な行動を選び、行政も大目に見る対応をしているように思えます。
そういった折り合いの付け方の結果、世界中から羨望されるような、高度に犬と人が共生する社会が維持されているのかもしれませんね。

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2013年02月11日

3週連続の雪遊び

この週末も行って来ましたよ。雪遊び!
今回はハナははさんち、ゆのんさんちと一緒です。

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アスリート母娘も、雪には大興奮です。
バニラちゃんは何度も"どぜう踊り"をやっていました。

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新雪のラッセルが大好きなPOOHちゃん達は、林の中のトレッキングに。

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ゆのんさんちとウチは、広場で主にオペラちゃんとファルの駆けっこ。

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敵うはずはないのに、メゲずに爆裂娘と一緒に走っていたファルコです。

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スタートダッシュは最も差が出る瞬間。どんくさいファルがようやく向きを変えた時には、オペラちゃんはもう駆け出していて、こんなふうに衝突も。

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ボールの落下地点でも、遅れて到着したファルがドスン...ふらふら
鬱陶しがらずに一緒に遊んでくれてありがとうね。> オペラちゃん

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バニラ姐さんの写真が少ないのでアップを一枚。終始ご機嫌さんでしたね。

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トレッキングから帰ってきたジャムちゃん。足先にちいさな雪玉が一杯。

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トッティ君の方はもっと大量に、しかもデカイのが付いちゃってました。

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雪の中でも、リトリーブ練習中のPOOHちゃんです。

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オマケ: ソリ遊びをしたがっていたカミさん。
斜面が緩過ぎてお尻に敷くだけのソリはスピードが出ませんでした。残念。

ホントに写真だけの超手抜き記録でした。
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2013年02月17日

犬に関する法令等

さて、ちょっと気が重いのですが、飼い犬をオフリードにすることに関する私の考えを述べ始めることにしましょう。

最初に断っておきますが、つまらない記事ばかりの拙ブログの中でも、今回のは特別に面白くないと思います。具体的な議論を始めるにあたっての基礎になる情報をまとめてあるだけなものですから。
その代わり、埋め合わせとして、ゆのんさんからいただいた先週末の雪遊びの楽しそうな写真を挿絵にさせていただきますね!

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ネット上では、"ノーリードは飼い主失格"、"ノーリードは撲滅すべき"といった意見が大量に見受けられます。その理由としてよく挙げられているのは、以下の3点のように思います。
a. 違法である(条例違反、ルール違反...)
b. マナー違反である(犬嫌いの方に配慮すべき...)
c. 飼い犬の生命を危険にさらすため

私も b.と c.については大きく異論を差し挟むつもりはないのですが、a.の違法性に関してはかなり憂慮すべき状況になっていると感じています。
"ノーリード"という言葉自体からして明確な定義がないと思いますし、私は、感情論や"こう思う"といった不毛な水掛け論をしたいわけではありません。
きちんとした議論のために、まず拠り所をはっきりさせておきましょう。

日本はドイツのように憲法で動物に関することを謳ってはいませんので、我が国において動物をどう扱うべきかの最重要な文書は法律になるはずです。"動物愛護管理法"と略される"動物の愛護及び管理に関する法律"。
この法律は昨年改正されて今年9月から改正版が施行されるわけですが、この一連の議論は、原則として今(2013年2月に)施行されている法令等をベースにおこないます。

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ではまず、"動物の愛護及び管理に関する法律"の中で、(動物取扱業を営んでいるわけでも、特定動物を飼っているわけでもない)一般の犬の飼い主に直接関係しそうな部分を抜粋してみます。
実はほんの少ししかありません。

(目的)
第一条 この法律は、動物の虐待の防止、動物の適正な取扱いその他動物の愛護に関する事項を定めて国民の間に動物を愛護する気風を招来し、生命尊重、友愛及び平和の情操の涵養に資するとともに、動物の管理に関する事項を定めて動物による人の生命、身体及び財産に対する侵害を防止することを目的とする。


(基本原則)
第二条 動物が命あるものであることにかんがみ、何人も、動物をみだりに殺し、傷つけ、又は苦しめることのないようにするのみでなく、人と動物の共生に配慮しつつ、その習性を考慮して適正に取り扱うようにしなければならない。


(基本指針)
第五条 環境大臣は、動物の愛護及び管理に関する施策を総合的に推進するための基本的な指針(以下「基本指針」という。)を定めなければならない。

<第2項〜第4項を省略>

(動物愛護管理推進計画)
第六条 都道府県は、基本指針に即して、当該都道府県の区域における動物の愛護及び管理に関する施策を推進するための計画(以下「動物愛護管理推進計画」という。)を定めなければならない。

<第2項〜第5項を省略>

(動物の所有者又は占有者の責務等)
第七条 動物の所有者又は占有者は、命あるものである動物の所有者又は占有者としての責任を十分に自覚して、その動物をその種類、習性等に応じて適正に飼養し、又は保管することにより、動物の健康及び安全を保持するように努めるとともに、動物が人の生命、身体若しくは財産に害を加え、又は人に迷惑を及ぼすことのないように努めなければならない。
2 動物の所有者又は占有者は、その所有し、又は占有する動物に起因する感染性の疾病について正しい知識を持ち、その予防のために必要な注意を払うように努めなければならない。
3 動物の所有者は、その所有する動物が自己の所有に係るものであることを明らかにするための措置として環境大臣が定めるものを講ずるように努めなければならない。
4 環境大臣は、関係行政機関の長と協議して、動物の飼養及び保管に関しよるべき基準を定めることができる。


(地方公共団体の措置)
第九条 地方公共団体は、動物の健康及び安全を保持するとともに、動物が人に迷惑を及ぼすことのないようにするため、条例で定めるところにより、動物の飼養及び保管について、動物の所有者又は占有者に対する指導その他の必要な措置を講ずることができる。


(犬及びねこの繁殖制限)
第三十七条 犬又はねこの所有者は、これらの動物がみだりに繁殖してこれに適正な飼養を受ける機会を与えることが困難となるようなおそれがあると認める場合には、その繁殖を防止するため、生殖を不能にする手術その他の措置をするように努めなければならない。

<第2項を省略>

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"動物の愛護及び管理に関する法律"に基づき、今回の議論で拠り所とする文書をまとめてみると、上図の5種類になるかと思います。

a. 動物の愛護及び管理に関する法律 (昭和48年10月1日 法律第105号)
もちろん国が定めたものです。施行規則等が存在しますが、それらを含めて便宜上"法律"と呼ぶことにします。

b. 動物の愛護及び管理に関する施策を総合的に推進するための基本的な指針 (平成18年10月31日 環境省告示第140号)
"法律"第5条を受けた環境省告示です。法的拘束力のないガイドラインと考えるのが妥当だと思われます。簡略化のために"基本指針"と呼ぶことにします。

c. 家庭動物等の飼養及び保管に関する基準 (平成14年5月28日 環境省告示第37号)
"法律"第7条4項を受けた環境省告示です。"よるべき基準"(慣用的な用語で、合理的な理由がない限り従わなければいけない基準:準則)という用語で定義されていますので、一定の法的拘束力を持つ法令等として扱うべきかと思います。
が、罰則規定のない努力義務となっています。実効力を持つために後述の"条例"等に反映されることを想定しているようにも思えるのですが、あくまでも動物の所有者等に対する基準として示されています。"法律"第7条4項で規定された基準は複数あるのですが、一般的な飼い主に関する標題の文書のみを簡略化のために"基準"と呼ぶことにします。

d. 動物愛護管理推進計画 [兵庫県に関しては 平成20年3月策定のもの]
"法律"第6条を受けた都道府県ごとの文書です。法的拘束力のないガイドラインと考えるのが妥当だと思われます。簡略化のために"推進計画"と呼ぶことにします。

e. 動物の愛護及び管理に関する条例 [兵庫県に関しては (平成5年3月29日 兵庫県条例第8号)]
"法律"第9条を受けた地方公共団体ごとの法的拘束力を持つ文書です。施行規則等が存在する場合がありますが、それらを含めて"条例"と呼ぶことにします。

多くの都道府県には"動物の愛護及び管理に関する条例"という名称の"条例"が存在していますが、それが無い都道府県もあります。
例えば、石川県。現時点では"犬の危害防止条例"があるだけで、動物(全般)の愛護部分には触れていないようです。千葉県も"千葉県犬取締条例"があるだけですが、千葉市等には"動物の愛護及び管理に関する条例"が存在します。
環境省のこのページには主な地方公共団体の"条例"制定状況がまとめられています。が、(このリスト以外にも)政令指定都市や中核都市以外で"動物の愛護及び管理に関する条例"を定めている市があったり、別の条例で犬の飼養や管理を規定していたりもしますので、"条例"に関してはそれぞれの方が住む地域に固有の判断が必要になると考えられます。

なお、私が住んでいるのは兵庫県ですので、"推進計画"と"条例"については、主に兵庫県のものについて言及していくことになります。

このページから兵庫県の"推進計画"をダウンロードすれば、"参考資料"として、"法律"、"基本指針"とともに兵庫県の"条例"も掲載されています。"基準"については国(環境省)が用意したこのページに広義の法令等が集められているので参照ください。

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拠り所となる法令等は明示しました。
が、正確な議論を進めるためには、もう一つしておかなければいけないことがあります。言葉(用語)の使い方を明確にすることです。

法的な文書には、専門用語とともに慣習的に(一般的な使い方と少し異なる)意味が与えられてきた単語や言い回しというものも存在します。これをここでは荒っぽく"法律用語"と呼ぶことにします。また、その法的な文書中で意味を明確にするために用語を定義するということもおこなわれます。
法令等に出てくる用語を解釈するルールは、定義がなされていれば(その文書中では)それに従う、"法律用語"であればその意味と捉える、それ以外は日本語として一般的に使われている意味と解釈すべきです。これを守らなければ恣意的な解釈ばかりが横行し、法の実効性が損なわれることは明白でしょう。
また、その法令等の"目的"や"原則"といった主旨を理解して、各条文の意味を論理的に理解する姿勢も重要かと思います。

なお、私は法律の専門家ではありません。仕事の上で法的な文書に触れる機会が多いので、少しは法令等の読み方を知っている程度です。
もしも明らかに間違っている点がありましたら、ぜひご教示いただきたく思います。私は、(個人のブログであっても)誤った情報の記載が続くことは好ましくないと考えていますので、きちんと訂正させていただきます。

では、言葉(用語)の使い方を整理してみます。

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私が最も気にしているのは"オフリード"の適法性ですが、一般には"ノーリード"という言葉がまかり通っていますので、そこから始めましょう。

"ノーリード"は和製英語でしょうね。英語の"No Lead"の伝えるニュアンスは、"リードの使用に反対する"とか"リードは(一切)使わない"といったものだと思いますが、熟語として定着したものではないと思います。
日本で"ノーリード"というと、散歩時等に一時的に犬をリードから放すという意味で使われていることが多いようですが、本来これを表す英語は"Off Lead"あるいは"Off Leash"です。
更に、自宅周辺で"放し飼い"にされている状態も"ノーリード"と捉えられているようで、議論の混乱を招いていると思われます。

なお、私が調べた限りでは、法令等で"ノーリード"という言葉が使われているものはありませんでした。兵庫県の"推進計画"にも使われていない言葉ですが、一部の都道府県の"推進計画"には記述がみられるものもあります。

したがって、きちんとした定義がなされないままで(2種類の概念が混乱した)"ノーリード"という言葉を安易に使うことは避けるべきだと考えます。

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実は問題を一番ややこしくしているのは、犬や猫に関する"放し飼い"という言葉かもしれません。

公園などで"犬の放し飼いは禁止します"といった看板を初めて目にした時、何か違和感を覚えたことはありませんでしょうか?
"放し飼い"という日本語は、一般的には"(恒常的に)動物を一定の広さの範囲に放して飼うこと"として認識されているはずです。辞書を引いてもそういった意味しか出てきません。犬の"ノーリード"問題と絡めた時以外に、"放し飼い"という言葉を"一時的に放すこと"の意味で使う例を、私は寡聞にして知らないのです。

では、拠り所とする法令等ではどうなっているかを見てみましょう。
"法律"と"基本方針"には"放し飼い"という用語は出てきません。後で述べる多くの"条例"に見られるいわゆる"けい留義務"についても触れられてはいません。"基準"の第4-1だけに下記の記述があります。

犬の所有者等は、さく等で囲まれた自己の所有地、屋内その他の人の生命、身体及び財産に危害を加え、並びに人に迷惑を及ぼすことのない場所において飼養及び保管する場合を除き、犬の放し飼いを行わないこと。

特に定義もなされていませんから、一般的に日本語として使われている意味と異なる解釈をすべき理由はありません。つまり、国の文書の中では"放し飼い"という言葉に"一時的に放すこと"を含めているとは考えられません。

兵庫県の"条例"にも"放し飼い"という言葉は出てきません。が、"推進計画"の方では4カ所でこの言葉が使われています。部分的に抜粋して紹介します。
"犬やねこの放し飼いや犬の散歩時の..."
"ねこに関しては放し飼いが多数を占めていることから..."
"放し飼いのねこの糞尿を原因として..."
"飼い犬のけい留指導を強化するとともに、指導に従わず放し飼いにしている犬の収容を..."

最期の文は"けい留"の捉え方を間違えると、"一時的に放すこと"も含むと主張する方もいらっしゃるかもしれませんが、それ以外の文を論理的に読む限り、"一時的に放すこと"は含まないと明確化されていると考えるのが妥当でしょう。

なお、私の調べた範囲では、"動物愛護管理法"以外の法令等でも"放し飼い"を"一時的に放すこと"の意味で使っているものは見つかりませんでした。逆に、"一時的に放すこと"について自然公園法(施行規則を含む)等では、"動物を放つ"、"犬を放つ"という表現が使われています。

どこかで見かけたことのある"散歩中の放し飼い"といった言葉は、国や兵庫県の公式見解を見る限り、矛盾に満ちた不適当なものと言うべきでしょう。

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いわゆる"けい留義務"についても注意が必要です。
"係留"、"繋留"とも書かれますが、この言葉も日本人であれば、ほとんどの方が"固定された物、地面等に繋ぎ留める"ことだと認識しているはずです。"右手で繋留していた犬を放す"といった使い方はあり得ないというのが常識でしょう。

よく知られているように、多くの地方公共団体の条例には、"犬はけい留しておくこと"といった条文があり、これを一般的に"けい留義務"と呼ぶようです。ただし、条例によっては"けい留"を通常の日本語とは異なる意味を与えて定義しており、混乱を招きかねない状況にあります。

一方、"放し飼い"のところでも触れたように、"法律"と"基本方針"には"けい留義務"は書かれていません。"けい留"について記述されているのは、"基準"の第4-2の下記の一文だけです。

犬の所有者等は、犬をけい留する場合には、けい留されている犬の行動範囲が道路又は通路に接しないように留意すること。

なぜ、"法律"には定められていない"けい留義務"が、下位の法である"条例"の多くに記載されているのか? さらに、"条例"によっては不自然な定義までなされているのか? このいびつさに、"ノーリード"問題の混沌を読み解く鍵が隠されていると私は考えています。

その鍵というのは非常にシンプルなもの。法令等の制定時期です。
環境省のこのページには興味深い資料が集まっていますが、"資料4 動物の愛護管理の歴史的変遷"を参照いただければ幸いです。

"動物の愛護及び管理に関する法律"の前身である"動物の保護及び管理に関する法律"は、1973年に制定されています。これは、国際的な要請(圧力?)を受けて、急ごしらえで作られたとも言われるようですが、"動物愛護"の思想が盛り込まれた最初の法令等と考えられます。

一方、上記の"資料4"中の"動物の愛護管理に関する主要事項の年表"によれば、1939年には既に"東京都が畜犬の係留義務規制を都令で公布"したとされ、1957年には("けい留義務"の盛り込まれた)"飼い犬取締条例"が東京都で制定されていたようです。
日本における犬の狂犬病発症記録は1956年が最後ですので、上記の条例が制定された時期は、狂犬病撲滅の戦いの最中であったと言えるでしょう。またその頃は、(例外的な"お座敷犬"を除けば)犬は屋外で飼うのが当たり前でしたから、"放し飼い"による狂犬病の蔓延防止を含む公衆衛生的な見地からは、それまでは家の周りで放し飼いが多く見られた犬に対して、"けい留"を義務づけるのは妥当な判断だったのかもしれません。

ところが、時が流れて2002年に"基準"が告示される頃には、日本における室内飼いの比率も高まっていて、"けい留"を解決法とするのではなく、"さく等で囲まれた自己の所有地、屋内その他の人の生命、身体及び財産に危害を加え、並びに人に迷惑を及ぼすことのない場所"で飼えば良い、それ以外の場所での"放し飼い"を禁止すれば十分だという判断に至るのは自然な流れだったのでしょう。

さらに言えば、1989年にはユネスコによって"世界動物権宣言"が発表され、1993年には世界獣医学協会が"5つの自由"を含む動物福祉の指針を示すなど、国際的な潮流を考慮した可能性も大きいと想像されます("基本指針"の冒頭部、"動物の愛護及び管理の基本的考え方"には、"世界動物権宣言"の影響が色濃く見られます)。ヨーロッパ諸国において"けい留"は、"正常な行動を表現する自由"を奪う虐待とみなされるといった情報も多く入ってくるようになっていたわけですから。

こういった国の法令等の変化に対して、各地方自治体は何も対応してこなかったのでしょうか?
いやそうではなさそうです。"動物愛護"の概念がなかった頃に作られた"けい留義務"の条文に(付け焼刃的な)手を加えることによって、何とか体裁を繕ってきたということのようです。

その小手先の手法の主なものは、情勢に合わせて"けい留義務"の例外規定を増やしていくというものでした。また、"囲いの中で飼う"ことも"けい留"であると、通常の日本語から逸脱した定義をおこなっている"条例"も少なくありません。

"けい留義務"を廃止して、"放し飼いの禁止"を謳うといった抜本的な対応をしなかった(できなかった?)ことのツケは大きいと言わざるをえません。
用語の使い方(あるいは日本語自体)が乱れ、"(恒常的に)放し飼いをする"のと"一時的にリード等から放す"という異なる二つの事象を一括りにして"ノーリード"と呼ぶ結果を招き、問題の本質が見えにくくなってしまいました。


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かなり回り道をした恰好ですが、もともとの私の目的は、"オフリード"の違法性を検証することです。

日本は法治国家なわけですから、"条例"がいかにいびつな形になっていようが、施行されている法令等に従わなければいけないのは当然です。
ただし、法令等の意味するところは、世間で何となく言われている通説に流されず、きちんと読む必要があると考えて、本記事をまとめました。

先に述べたように、いわゆる"ノーリード"は二つの異なる事象を混ぜこぜにしている概念ですので、以降の記事では"放し飼い"と"オフリード"に分けて、法令等との関係を探ってみることにします。
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2013年02月20日

放し飼いは違法?

昨日の朝から降った雪、今朝までは南向きのテラスにも積もっていたのですが、今夜はもう日陰にちょっとだけしか残っていません。

先週末は寒かったですね。その割には、連日雪化粧はするものの、すぐに融けて乾いてしまう日が続きました。
今回の挿絵は、少ししか雪のなかった土曜日午後の散歩時のものです。

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さて、いわゆる"ノーリード"の一形態?である"放し飼い"が、法令等でどのように扱われているか調べてみました。
一つ前の記事をベースにした考察ですので、"放し飼い"には(散歩時などに)"一時的に放す"ことは含めません。(定常的に)一定の広さの範囲に放して飼うという通常の日本語の意味です。

前記事で紹介した"基準"の第4-1を、他の"条例"と比較してみやすいように、例外規定を独立させた形に書き換えてみます。

犬の所有者等は、犬の放し飼いを行わないこと。ただし、次に掲げる人の生命、身体及び財産に危害を加え、並びに人に迷惑を及ぼすことのない場所において飼養及び保管する場合は除く。
(1)さく等で囲まれた自己の所有地
(2)屋内
(3)その他

私はこの"基準"を一定の法的拘束力がある法令等と捉えていますので、原則的には"放し飼い"は禁止されていると認識すべきと考えます。
ただ、例外規定の中に"その他"が入っていることによって、結局のところは、"人の生命、身体及び財産に危害を加え、並びに人に迷惑を及ぼす場所では放し飼いはおこなってはいけない"と言っているに過ぎません。

なお、"基準"が制定された時点では、多くの地方公共団体の"条例"で"けい留義務"が定められていたにもかかわらず、国としては"けい留"することを重視していない("放し飼い"をしない一つの手法でしかない)ことをきちんと認識しておく必要があると思います。

では、地方公共団体の"条例"で"放し飼い"がどのように扱われているのか、いくつかの例を見てみることにしましょう。

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まずは、"動物愛護"のスタンスが入っていない古いタイプの管理条例を今も使っている千葉県のもの(千葉県犬取締条例)を取り上げます。

第三条 管理者は、次の各号のいずれかに該当する場合を除くほか、その飼い犬を他人の身体又は財産に危害を加えないように係留し、又は抑留しておかなければならない。
一 飼い犬を他人の身体又は財産に危害を加えるおそれのない場所又は方法で訓練し、移動し、又は運動させるとき。
二 警察犬、狩猟犬又は身体障害者補助犬(身体障害者補助犬法(平成十四年法律第四十九号)第二条第一項に規定する身体障害者補助犬をいう。)をその用途に使用するとき。
三 飼い犬を運搬の用に供するとき。
四 飼い犬を曲芸、展覧会、競技会その他これらに類する催しのために使用するとき。

五 ほ乳期の飼い犬を飼養するとき。


第七条 第三条の規定により現にけい留し、又は抑留されている飼い犬については、同条各号の一に該当する場合を除くほか、何人も、そのけい留又は抑留を解いてはならない。

# 水色の部分は"オフリード"の違法性議論には絡みますが、"放し飼い"とは直接関係ありませんので、本記事では考察の対象外とします。

なんと、千葉県ではほ乳期を越えた飼い犬は、たとえ室内飼いであってもずっと"けい留"または"抑留"!しておかなければいけない(室内でも"放し飼い"は条例違反)ことになっています。
# "抑留"という言葉は、おそらく"檻に閉じ込めておく"という意味で使われていると想像しますが、はなはだ不適切な使い方だと感じます。敢えて言うまでもないと思いますが、"抑留"は部屋の中で自由にさせている状態を含みえるような言葉ではありません。

2013/02/25 追記: 読み返してみたら、ちょっと私の読解に不十分な点があったことに気付きました。千葉県犬取締条例の第三条では、"係留又は抑留"の目的とも読める"他人の身体または財産に危害を加えないように"という記述があります。普通の室内飼いで来客のない("他人"から隔離された)時間であれば、室内での"放し飼い"に関しては容認される(条例違反に当たらない)可能性があるようにも思えます。
もっとも、普段の飼養状態というのは、"訓練し、移動し、又は運動させるとき"というのには相当しませし、他の"各号"の例外規定にも当たりません。法的な文章の構造としては室内の"放し飼い"は違法と読むのが妥当だと思いますが、"人の"ではなく"他人の"という言葉によって"お目こぼし"を受けられる可能性はあるのかなと思います。


一方、千葉市の"動物の愛護及び管理に関する条例"では、以下のように記述されています。

第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
<第2項〜第5項を省略>
(4) けい留 飼い犬を逃げるおそれがなく、かつ、人に危害を加えることのないようにさく、おりその他の囲いの中で飼養し、又は鎖等でつないでおくことをいう。

第6条 所有者等は、動物を適正に飼養するため、次に掲げる事項を遵守しなければならない。
<第1項の各号を省略>
2 犬の所有者等は、前項の遵守事項のほか、次に掲げる事項を遵守しなければならない。
(1) 飼い犬をけい留しておくこと。ただし、次のいずれかに該当する場合は、この限りでない。


第一義が"囲いの中で飼養すること"とも読める"けい留"の定義には違和感を覚え(日本語の乱用を憂い)ますが、法的にはこの定義に従わざるをえません。
そうすると、屋内で"放し飼い"をしている人は、千葉市民としては問題にならないのに、千葉県民としては条例違反に問われるわけです!?

実は、これにはカラクリがありました。千葉県内では、千葉市が政令指定都市であり、船橋市が中核都市に指定されています。この二つの市には"動物の愛護及び管理に関する条例"が定められているので、以下の条文で"千葉県犬取締条例"の適用から除外されていたのです。

第十三条 この条例は、千葉市及び船橋市の区域においては、適用しない。

うーん、千葉市民、船橋市民がこのことをちゃんと理解されていれば良いのですが... なんかスッキリしないのは私だけでしょうか?

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今度は"条例"で"けい留義務"を謳っていない都道府県を紹介しましょう。
最初の例は北海道。"動物の愛護及び管理に関する条例"にはこんな規定があるだけです。

第7条 犬の飼い主は、その飼養する犬について、次に掲げる事項を遵守しなければならない。
(1) 逸走を防止し、適正に管理するため、室内、十分な広さのある囲いの中その他の人に危害を加えるおそれのない場所又は方法で飼養すること。

この条文は、国の定めた"基準"にかなり近い内容ですね。
ただし、札幌市には"畜犬取締り及び野犬掃とう条例"があり、"囲いの中"を含んだ広義の"けい留義務"が定められています。他の市町村にも同様の規定があるかもしれません。

もう一つ。静岡県も特色のある"動物の愛護及び管理に関する条例"です。
多くの都道府県の"条例"では、動物全般に関する飼い主の責務と、犬の飼い主専用の責務が条を分けて記載されているのですが、静岡県の"条例"には犬特有の責務が存在しません。# ねこ特有の責務が定められているという点でも他のものとは一線を画しています。

なお、静岡県内の多くの市では、"飼い犬条例"といった名称の条例で、犬の飼い主の責務を定めているようです。が、私の確認した範囲では、その多くは同じような内容で、("けい留"等の)必要な措置を義務化するという自由度のあるものです。静岡市の"飼い犬条例"を引用しておきましょう。

第2条 犬の所有者、占有者及び管理者(以下「所有者等」という。)は、その所有し、占有し、又は管理する犬(以下「飼い犬」という。)を飼育管理している場所において、その飼い犬の性質、形態等に応じて、丈夫な鎖若しくは綱でつなぎ、又はおり若しくはさくの中に入れておく等、飼い犬が人畜その他に害を加えることのないよう必要な措置をしておかなければならない。

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最後に、兵庫県の"動物の愛護及び管理に関する条例"を紹介しておきます。

第12条 飼い犬の所有者等は、当該飼い犬が人の生命等に害を加えないように、これを鎖等でつないでおかなければならない。ただし、次に掲げる場合で当該飼い犬が人の生命等に害を加えるおそれがないときは、この限りでない。
(1) 生後90日以内の飼い犬を飼養し、又は保管する場合
(2) 飼い犬をおりに入れて飼養し、若しくは保管し、又は囲い等の障壁の中で飼養し、若しくは保管する場合

(3) 飼い犬を鎖でつなぐ等の方法で連れ出す場合
(4) 飼い犬をおりに入れる等の方法で移動させる場合
(5) 飼い犬を訓練し、又は競技等に参加させる場合
(6) 飼い犬を狩猟、犯罪の捜査、障害者の介助等のために使用する場合


ファルコが "人の生命等に害を加えるおそれがない犬"に相当するなら、部屋(囲い等の障壁)の中で"放し飼い"することに問題はなさそうですね。

兵庫県の"条例"は、全体的によく考えられたものだと感じています。
この条文でも、いたずらに"けい留"の意味を拡大定義することは控えてありますし、"飼養し、又は保管する場合"という定常的な飼い方に関する事項と、一時的な状況下での条件とがわかりやすく分離されています。

# あら探しをすれば、"人の生命等に害を加えるおそれがある犬"は、おりに入れることができず、"けい留"でなければならないと読める点は、少し問題があるかもしれませんが...

北海道や静岡県のように、国の"基準"以上には制限を設けないというわけにはいかなかった(いわゆる"けい留義務"は温存された)のは残念ですが、例外規定の条件として犬の性質(状態)を定めている点にも多くの都道府県とは異なる(横並びではない)独自の検討がなされていることが窺われます。

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少し脱線しますが、兵庫県の"推進計画"も("条例"と同様に)、他の多くの都道府県のものに比べて優れていると感じています。

例えば、東京都の"推進計画"には "公園等の公共の場所で問題になっているノーリード(放し飼い)..."などという不適切な表現が見られますし、全体的にお役所仕事で(行政の都合ばかりが)書かれていると感じてしまう代物です。
いくつかの他の"推進計画"も流し読みしましたが、その多くに "人と動物の共生"="他人に迷惑をかけない飼い方"との考えが見え隠れしていました。

兵庫県のものは、動物介在活動などの動物が人間社会に寄与していることに言及し、真の意味で"人と動物の共生"を目指そうという姿勢(動物に対する"愛情")が感じられる文書になっています。お時間があれば、ぜひ読んでみてください。
なお、静岡県の"推進計画"も好感が持てるものでした。5年ほど前に作られた計画の中で、災害時の同行避難にまで(回答数は少ないもののアンケートまで取って)言及しているのは、静岡県のものしか見つけられていません。

余談のついでに、兵庫県の"条例"の方で、私が感動さえ覚えた条項を二つ紹介させていただきます。

(県民の責務)
第5条 県民は、自ら進んで動物愛護思想の涵養と動物の適正な愛護に努めるとともに、県及び市町の動物の愛護及び管理に関する施策に協力しなければならない。


(動物の所有者等の遵守事項)
第10条 動物の所有者等(法第10条第1項に規定する動物取扱業(以下「動物取扱業」と いう。)を営む者を除く。)は、次に掲げる事項を遵守しなければならない。

<第1項の(1)〜(8)を省略>
(9) 動物の飼養又は保管の作業を行う者の健康管理に留意すること。

県民の責務に "自ら進んで"という言葉を盛り込み、動物の飼い主は"健康管理に留意"すべきと踏み込んであるものは、私がちょっと調べた限りでは兵庫県だけです。このような県に在住していることに感謝したいと思います。

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話が発散してしまいました。
今回の記事は、"放し飼い"の違法性でしたね。

もう一度まとめておくと、

国は、"原則として放し飼いは禁止"と定めている。ただし、"人の生命、身体及び財産に危害を加え、並びに人に迷惑を及ぼすことのない場所"においては容認されると考えて良いでしょう。

各地方公共団体によって"放し飼い"に関する規制は大きな違いがあります。千葉県のように室内飼いであっても"けい留"していないと"拘留又は科料"という処罰対象になるような自治体から、静岡県のように(県下の多くの市も同様に)国の"基準"以上には規制しないという自治体まで。北海道のように道と主要都市でスタンスが異なる自治体もあります。

したがって、原則的には"放し飼い"は禁止されているものの、狭義(本来の意味)の"けい留"を義務付けているかどうかなどは、所属する地方公共団体によってさまざまであるというのが結論になるかと思います。
posted by Tosh at 23:59| Comment(14) | 雑記帳

2013年02月23日

オフリードは違法?

このところ、毎日少しだけ雪が積もっては融けるファルコ地方です。

カミさんから "このブログはもともと面白くないのに、今回のつまらない記事群で読者がいなくなっちゃったんじゃないの?"と言われておりますふらふら
なんですが、懲りずにオフリードの話題の4回目をば。

今日はカメラを持ち出してないので、先週末の日曜日にちょこっとだけ雪遊びに行った時の写真を挿絵にしますね。遠出じゃなくって六甲山です。

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今回は"オフリード"は法令等で禁止されているのか?って話です。

念のために言葉の意味を明らかにしておきますね。私の一連の記事で"オフリード"というのは、定常的に飼われている場所(家や庭、およびその周辺)から連れ出されている際に、犬がリードから放れた状態を指しています。反対語(繋がれた状態)は"オンリード"です。
先の記事で掲示した議論の拠り所となる5種類の文書の中には、"オフリード"という言葉そのものは出てこないと思います。が、飼養場所以外で鎖や綱から放れた状態に言及しているものを、"オフリード"についての記述とみなすことします。

"法律"と"基本指針"には"オフリード"に関する記述は全くありません。
国の法令等で何らかの記載があるのは"基準"の第4-5だけです。

犬の所有者等は、犬を道路等屋外で運動させる場合には、次の事項を遵守するよう努めること。
(1) 犬を制御できる者が原則として引き運動により行うこと。
(2) 犬の突発的な行動に対応できるよう引綱の点検及び調節等に配慮すること。
(3) 運動場所、時間帯等に十分配慮すること。
(4) 特に、大きさ及び闘争本能にかんがみ人に危害を加えるおそれが高い犬(以下「危険犬」という。)を運動させる場合には、人の多い場所及び時間帯を避けるよう努めること。


"運動"については特に定義がなされていないので一般的な言葉の意味と解釈すべきですが、積極的に走らせるのではない"散歩"も運動の一形態と解釈すべきだと思います。また、同じ"基準"の第3-1に下記のように記述されていることにも留意しておきましょう。

所有者等は、次の事項に留意し、家庭動物等の種類、生態、習性及び生理に応じた必要な運動、休息及び睡眠を確保し、並びにその健全な成長及び本来の習性の発現を図るように努めること。

いずれにせよ、"原則として"引き運動により行うことを遵守するよう"努める"という記述ですので、"引き運動"以外は違法と直結するわけではありません。
# もちろん、そんなことになれば、"脚側行進"で散歩しているのも違法になってしまいますね。

というわけで、国の法令等では、"オフリード"の禁止は明言されていないと判断すべきかと思います。

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では"条例"の方を見てみましょう。

一つ前の記事で、北海道や静岡県の"条例"にはいわゆる"けい留義務"の記述がないことを書きました。少なくともこの二つの都道府県の"条例"では、"放し飼い"だけでなく"オフリード"に対しても言及はなされていません。
私がチェックした"条例"はごく限られた数(10あまり)ですので、他の地方公共団体でも同じような扱いのところがある可能性は大です。

もっとも、都市を抱える市などには、"オフリード"を何らかの形で規制する"条例"がある場合も多いと思います。なので、北海道下や静岡県下であっても、"オフリード"は規制対象外と言い切れない点にはご注意ください。

ここで言いたかったのは、"オフリード"が全く規制されない地域もあるようだということだけです。

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私にとって最も影響のある兵庫県の"条例"を見てみましょう。
"オフリード"に関係するのは前記事でも引用した第12条になります。

第12条 飼い犬の所有者等は、当該飼い犬が人の生命等に害を加えないように、これを鎖等でつないでおかなければならない。ただし、次に掲げる場合で当該飼い犬が人の生命等に害を加えるおそれがないときは、この限りでない。
(1) 生後90日以内の飼い犬を飼養し、又は保管する場合
(2) 飼い犬をおりに入れて飼養し、若しくは保管し、又は囲い等の障壁の中で飼養し、若しくは保管する場合

(3) 飼い犬を鎖でつなぐ等の方法で連れ出す場合
(4) 飼い犬をおりに入れる等の方法で移動させる場合
(5) 飼い犬を訓練し、又は競技等に参加させる場合
(6) 飼い犬を狩猟、犯罪の捜査、障害者の介助等のために使用する場合


(1)と(2)は"放し飼い"に関することなので、今回は考察の対象外です。
(4)と(6)も、一般的な飼い犬の"オフリード"からは逸脱する状況のことですから、今回の議論からは除外します。

第12条全体は"けい留義務"の条項ですから、その例外として、"鎖でつなぐ等の方法で"連れ出して良いというのが(3)ですね。
"鎖等でつなぐ"ではなく"つなぐ等"になっていることから、"つなぐのとは別の何らかの方法"にも許容される余地がありそうです。が、この"等"の一文字をもって、"オフリードの方法で"連れ出すのも認められると解釈するのはさすがに無理があると思います。
常識的に解釈すれば、"リードでつなぐ(といった)方法で連れ出して良い"という感じで、何かあいまいな境界を残しながらも、連れ出す場合は"オンリード"を条件にしていると読み取る方が無難かと思います。

(5)では、"訓練"と"競技等に参加"する場合も"けい留"を解いて良いことが記されています。"競技会"は日常ではないイベントですから、とりあえず"訓練"の方で考えてみることにします。
この例外規定には、"鎖でつなぐ"といった"方法"の指定は一切ありません。したがって、"オフリード"に関しても許容されると考えるのが自然です。ただし、実は本文の方には"当該飼い犬が人の生命等に害を加えるおそれがないとき"という条件が明記されていることを忘れてはなりません。

とは言っても、条文を普通に読むと、"人の生命等に害を加えるおそれがある犬"は、室内での"放し飼い"も、連れ出す(散歩する)ことも違法です。
ノーリード反対派の方の意見によく見られる"どんな犬でも危害を加える可能性がある"という主張に従えば、兵庫県下のあらゆる犬は、ずっと鎖等でつなぎ続けることしかできませんね。

私はファルコのことを"人の生命等に害を加えるおそれがある"とは考えていませんので、室内飼いはもちろん、散歩も"訓練"も続けますけどね。

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法令等は厳密に読む必要がありますから、"訓練"の指し示す範囲も勝手に拡大解釈することはできません。
兵庫県の"条例"では"訓練"は定義されていませんし、"法律用語"でもありませんから、一般的な日本語の意味で読むべきですが、同じ文書でもう一カ所に"訓練"という言葉が出てきます。この"条例"中でどのような意味を持たせてあるかを知るヒントになりえるので引用しておきますね。

第11条 飼い犬の所有者等は、前条各号に掲げる事項のほか、次に掲げる事項を遵守しなければならない。
(1) 飼い犬の種類、大きさ、発育状況、健康状態等に応じて適正な運動をさせること。
(2) 飼い犬の習性、生理、生態等を理解した上で、当該飼い犬にあったしつけを行い、所有者等の制止に従うように訓練すること。


この条文では、"訓練"は"しつけ"と同じ方向(延長線上?)の概念で、"運動"とは別の事象であることがわかります。また、"訓練"はトレーナーさん等の非一般人がおこなうことを想定しているのではなく、それぞれの飼い主に求めている義務と言えますね。

結論:兵庫県下において、人の生命等に害を加えるおそれがない犬を"訓練"する場合の"オフリード"は合法です。

訓練する場所や状況、訓練する人についての条件はありません。
また、"訓練"とは普通にトレーニングととらえるべきで、単なるボール遊びや、自由に走らせるのは"訓練"には相当しないと考えられます。
が、本当に"訓練"っていうのは普段の散歩や自由運動ときちっと区分できるものなんでしょうかねぇ? ウチの散歩では、"訓練"に相当することを随時組み込んでいるんですけど...

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他の地方公共団体の"条例"を少し調べてみたところ、兵庫県のこの例外規定はあまり一般的な形ではないことに気付きました。
他の多くの"条例"にも、"訓練"、"競技会"(あるいは単に"運動")のために"オフリード"を認める例外規定があるのですが、前提条件が異なるのです。

一番よく見かけるのは "危害を加えるおそれのない場所(又は方法)で"といった状況に関する文言です。そういった安全を確保できる条件下でなら"オフリード"での"訓練"(や地域によっては"運動"も)を認めている"条例"が多いようです。

が、"危害を加えるおそれのない場所"や"危害を加えるおそれのない方法"というのはどうやって判定するのでしょうか?

この曖昧さがあるがゆえに、ノーリード反対派の方は"あらゆる場所でのノーリードは違法!"と主張するものの、行政側としては行政指導する明確な根拠を欠いていて対応できないというおかしな現象が起こっているように思います。

最初に考察したように、国の法令等には"オフリード"を禁止する規定はありません。一方、"条例"では"オフリード"は"けい留義務"の例外規定の中で処理しなければいけない不自然さに加え、"おそれのない"という便利そうではあるけれど実は諸刃の剣の曖昧さによって実効性の乏しい(判断の難しい)規定になっています。

"危害を加えるおそれのない場所(又は方法)"の捉え方によっては、多くの地方公共団体においては"訓練"だけでなく"運動"のための"オフリード"も合法であると私は考えています。

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本記事で"オフリード"の違法性/適法性についてまとめてしまおうと思っていたのですが、ダラダラと長文になり過ぎてしまいました。
一旦筆を置いて、残りの考察については記事をあらためますね。
posted by Tosh at 23:59| Comment(28) | 雑記帳