ゆったりと日々を過ごすことも大事だと思う一方、せっかくワーキングドッグと暮らしているのだから、その犬がイキイキとしてくれる楽しみ方(お仕事)を見つけたい...と。

東日本大震災の後には、災害救助犬になれたら良いなという想いも芽生えました。もっとも、"鼻"に関してはナットの方がずっと優れていたのですが...
ガンドッグとして作出された本来の得意分野(リトリーブ)に関しては、ようやくGRTの何たるかがわかりかけてきたところ。
私自身はダメなハンドラ(トレーナ)だという自覚があるので、せっかくやり始めたGRTがある程度の形になるまでは、他の"お仕事"に対する興味は封印しておくべきだと考えていました。
が、縁とは不思議なもので、今年からようやく本格的に始めたGRTで、いつもご一緒させていただく方の中にウォーターワーク(WW)のインストラクタがいらっしゃったのです。
その方にご紹介いただき、この日曜日(23日)に琵琶湖での練習会を見学する機会をいただきました。


ゆのんさんもずっとウォーターワークに興味を持ってこられたそうです。
11歳になったバニラちゃんは、今もGRTのトップドッグですが、特に"走り"の点では娘のオペラちゃんに敵わないと自覚し始めているそうです。
バニラちゃんの方が向いている分野で、"オペラには負けないわよ!"と自信を取り戻させたいと、講習を受けることにされたそうです。
余談ですが、私が作業犬の素晴らしさを実感したのは、一番最初にGRTの練習会に参加させていただいた際に、バニラちゃんが見せてくれた"自信に満ちた表情"でした。ダミーを回収してきた時に見せたドヤ顔は、"どう、私、スゴいでしょ!"と言っているとしか思えませんでした。
飼い主(ハンドラ)を信頼し、その期待することを理解して行動、そして褒められることを至上の歓びとする姿は、私とファルの目標になりました。


私自身は、今シーズン中にWWを始めるのは得策ではないと思いますが、GRTとどの程度共通するもの(および違い)があるのか興味を持っていました。また、カミさんがハンドラをするのなら、ファルも違う"お仕事"として混乱せずに取り組めるかもしれないとの期待もあって見学させていただいたというわけです。
今回見せていただいた練習の内容はおおよそ次のようなものでした。
・要救助者にロープを運んで行く
・腰の辺りをつかんだ要救助者を運んでくる
・動けなくなったボートをロープで引っ張ってくる
・素早く(正確に)要救助者の元に行くために桟橋から飛び込む
で、WW初挑戦のバニラちゃんの様子はというと...

何より、ゆのんさんの嬉しそうな顔が印象的でした!

初めての挑戦にもかかわらず、ボートまで泳いで行って、ロープを受け取って反転、ちゃんと岸に向かって引っ張っています!

先にやっていた子の動きを観察していたのでしょうが、たった一度のトライで、ほぼ完璧にやってのけました!
見ていたみんなが笑顔になって、自然に拍手が沸き起こったんですよ

普段の遊び(トレーニング)の中で引っ張りっこはしておられるとは言え、なんともまぁ見事な動きでした。一つのことを極めた犬と人のペアってのは、(その信頼関係ゆえに)応用が効くということを思い知らされたシーンです。感激しました!
もっとも、"ロープを運んでいく"という行動は、今まで遊びでもやったことがないので、かなり戸惑っていたようです。これは GRTには全くない要素ですね。難しそうです。


手前がオペラちゃん、向こう側はティアラちゃんです。

# 顔が映ってなくてゴメン。> アビちゃん


あいにくスコールのような雨が降ってきて、撤収作業をしていた私は見損ねちゃったんですが、バニオペ母娘が見せ場を作ってくれたそうです。
あまり飛び込みが好きではないバニラちゃんが躊躇していると、オペラちゃんが"私にやらせて!"とアピール。オペラちゃんが得意げに飛び込むのを見たバニラちゃん、その後でちゃんと二回ジャンプしていたそうです。
母娘でありながらライバル... そうやって二人とも(GRTの)頂点まで辿り着いているっていうのは何かすごくイイ感じですよね!
ゆのんさんとバニラちゃんの関係、バニラちゃんとオペラちゃんの関係...
単に犬と一緒に暮らすだけじゃなく、その子達に生き甲斐と張り合いを与えられていることに、あらためて憧れを感じた一日でした。


ガレージの扉がミラーになっているお宅の前での一枚。少し前まで鏡に映った自分の姿に吠えていました。今もまだ不思議に感じているようです。