2015年02月19日

英国の犬に思い馳せ

週末の楽しかった話題というのは、イギリスの生の情報に触れる機会があったということでした。2/15(日)に、まいてぃさんが "ガンドッグを学ぶ" というセミナーを関西でも開催してくださり、カミさんと連れ立ってそれに参加してきたのです。

彼女は 10代から渡英を繰り返して、日本でも名の通ったフィリッパ女史に師事してドッグトレーナー(とガンドッグハンドラ)の修行をしておられる方。昨年は本場のフィールドトライアル(ノービス)で優勝されたそうですよ!

Philippa Williams氏は、20年に渡って Cruftsでガンドッグのデモンストレーションをやっておられるそうです。私が観に行った時もそのデモは楽しませていただきました。この記事の7枚目の写真で左に写っている長身の女性が Philippa女史です。
5年ほど前からは Gundog Dayのメインリングでのデモも。2012年の公式のこのビデオ(やダイジェストのこれ)には、まいてぃさんもチラチラ写っておられますね。

言わば、英国のガンドッグトレーニングの顔というような師匠なわけで、その下で実猟もフィールドトライアルも経験してこられている まいてぃさんの話が面白くないはずはありません。
10時半から(昼休みを挟んで)16時半まで、あっという間の刺激に満ちた素敵なセミナーでした!手(チョキ)

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まいてぃさんは来年には本格的に帰国?される予定だそうですので、貴重な英国ガンドッグ情報をガンガン発信してくださるのを今から楽しみにしているんですよ!

セミナーの中身に触れるのはあまり紳士的ではないかと思いますが、ほんのちょっとだけ、考えさせられたことを書き留めておきたいと思います。

英国のガンドッグ(リトリーバー)ファンシャーの志向というのは、実猟でPickersと呼ばれる犬種の作出された目的である回収作業をおこなわせることと、Field Trialや Working Testといった競技会に出ることに分かれるそうです。
で、競技志向の方は Pickersの仕事は避けようという傾向があるとか。その理由は実猟では犬が自発的に回収作業することが求められるために服従性が崩れるということなんだそうです。

私がファルと GRTを始めようとした時にも、ある方から同じような話を聞かされました。競技成績を重視するならあまり犬に自由を与えない方が良いという(善意の)アドバイス。そういえば、この記事の最後で紹介した書籍中のマールは極力自由を与えられた犬で、回収作業をおこなう能力はあるものの、それを命じられることを拒むといったエピソードも出てきますね...

私とファルのペアは全く成績を残せませんでしたが、犬が自立的に判断して行動できることと、ハンドラの指示に従って結果を出して"ドヤ顔"を見せてくれることの両立に悩んでいた面があったのも確かです。
ペニーと挑戦し始めた捜索救助犬の活動に関しても同様の不安は感じています。捜索活動中の犬に対しては事細かなコマンドは出さずに自主性に任す方が良いといったことが言われる一方で、救助活動が協同作業になるとことを考慮して(認定試験等においては特に)高い服従性も求められるというジレンマ...
ファルとのGRTでは成績はどうでも良いと思っている面もあったのですが、ペニーとの活動はあくまでも実働して結果を出したいと考えているものですから。

が、フィリッパ女史は、同じ犬を実猟にも競技会にも出して、高いレベルの成績を残しておられるようです。もちろん、犬の素質やハンドラの腕に依存する部分は大きいでしょうが、両立することは不可能ではないということなんでしょうね。

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<単なる挿絵。昨夕、明石海峡大橋に沈みかかる陽が美しかったもので...>

終わった後で、セミナー内容には直接関係はない質問を まいてぃさんにぶつけさせていただいちゃいました。
"ガンドッグだけじゃなく、イギリスの犬と人の文化に興味を持っていて Cruftsにも行ったんだけど、CLA Game Fairにも惹かれている。行く価値はあるだろうか?" と。
まいてぃさんの答えは即座に帰ってきました。"ぜひ観に行くべきだ" と。彼女自身もクラフツ展以上に CLAのことが好きで、今年も行くはずとのことでした。

で、ちょっと迷ったのですが、カミさんには留守番をしてもらって、単身で行ってくることにしちゃいました!
三日間の開催期間のうち、土曜から二日間は会場を観て回るつもりです。とは言っても英国のカントリーサイドの遊び方全般を扱う大規模なお祭りイベントのようですし、英語力に難のある私がどれだけのことを吸収して来られるかは未知数ですけどね...ふらふら

CLA Game Fairのことをご存知ない方のために、少しビデオを紹介しておきましょう。どんなイベントなのかをよく表していそうなのはこちら。そして一番見たいと思っている England, Wales, Scotland, Ireland対抗の Working Test競技会はこちらが参考になると思います。オマケで、犬の目線で会場の様子を紹介しているビデオも。
今年はどのくらいかわかりませんが、動画中で会場の広さを 500エーカーとかって言ってますね。クラフツ展も広いと感じたけど、その20倍以上の面積(東京ドーム 40数個分!)... 迷子か 行き倒れになりそうですねたらーっ(汗)

"私も行くよ"という方がいらっしゃったら、ぜひご連絡くださいね!

というわけで、既に心はイギリスの涼しい夏に飛んじゃってて、仕事の合間に(というかサボって)エアチケットやホテルを予約している今日この頃ですわーい(嬉しい顔)

posted by Tosh at 23:59| Comment(4) | ワンズ日記
この記事へのコメント
こんにちは。
まいてぃさんのセミナー、私はチェック不足で開催を知らぬまま終わってしまいました。非常に残念です。地元なのに(涙)
で、慌ててまいてぃさんの過去記事を読み漁っています(汗)
そしてイギリス(ヨーロッパ)ではガンドッグのトレーニングは「習う」ものだということに衝撃を受けました!

以下〜作業意欲と自主性・服従性のことでちょっと書きましたが、何だかまとまらなかったので割愛しました。

今度お会い出来たらセミナーの内容こっそり教えて下さいね!
Posted by ぷりんママ at 2015年02月20日 16:13
ぷりんママさん、
今回の東西でのセミナー、まいてぃさんのブログとFacebookで告知等がおこなわれていたようです。
私がFBを活用し始めたのが昨年末で、芦屋のセミナーのことを知った時には、既に葉山の方は定員に達していたのです。その時に枠があればお知らせしたのですが... すみません。

ガンドッグ(リトリーバー)においてはステディネスが非常に重要な要素であるのは間違いないと思うのですが、救助犬の方は(まだわかってないことだらけですが)国によっても捉え方が違うような話も漏れ伝わってきます。
ヨーロッパはシステマチックな捜索を志向しているようで、犬をコントロールすることを重視しているけれど、(一人で広い範囲を担当する)アメリカではともかく発見できることを重視して、多少クレイジーなくらいの(作業意欲が前面に出た)犬を好むといった違いがあるとかないとか...^^;;

またお会いした時に、いろいろお話させてくださいね!
Posted by Tosh at 2015年02月20日 23:35
情報に疎いということはそれだけ熱意がないからだって家族から指摘されましたよ。ファルコパパが謝ることではないです。逆に心配させてごめんなさい。

救助犬の方はちょっと調べただけで国内にも複数の団体があるようですね。
出動要請はどういう経路で行われるのでしょうね。警察や消防の他、地元の山岳救助隊等の連携が求められるのでしょうか。

広島の災害現場では働く犬に靴を履かせるか否かで論争が起きたそうですね。
様々な想定で訓練してこそ現場で発揮できると思うので頑張ってください。(でも災害は起きないのが一番良いですが…)
Posted by ぷりんママ at 2015年02月21日 11:10
ぷりんママさん、
救助犬活動をおこなう団体は、阪神淡路大震災以降にたくさんの地域で立ち上がった(それ以前はたしか1つだけ?)ようですね。
災害時の出動に関しては、各団体が個別に地方自治体と協定を結んでおられるのかなと思いますが、私はまだそういったことに詳しくないもので...
非災害時の行方不明者の捜索に関しては、警察や消防との連携が重要だとは思いますが、日本ではまだその部分は非常に弱いと聞いたことはあります。

犬のブーツの件ねぇ...^^;;
論争は起きてないと思いますよ。現場のことなんか知るつもりもないくせに、"かわいそうと言ってる自分が好き"な人たちや、なにかというと"被害者"を捏造したいメディアが騒いだだけじゃないでしょうか?
その結果、本気で向き合っている人たちが随分煩わされたということも聞いていますからね...
http://www.japan-rescue.com/%E3%81%8A%E7%9F%A5%E3%82%89%E3%81%9B/%E7%81%BD%E5%AE%B3%E6%95%91%E5%8A%A9%E7%8A%AC%E3%81%AE%E3%83%96%E3%83%BC%E3%83%84%E3%81%AB%E3%81%A4%E3%81%84%E3%81%A6/
Posted by Tosh at 2015年02月21日 16:50
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