ファルコを迎えるまでの経緯をもう少しだけ書き留めておきたいと思います。NO DOG, NO LIFEの続きになります。
何とか犬を飼える家は手に入れたわけですが、犬を迎えるには課題がありました。私達は子供がいない二人暮らしの共働き夫婦で、(私の方は勤勉とは言い難いのですが)世間的には仕事人間に分類される人種でした。二人とも、帰宅するのは深夜といった生活を続けてきたのです。
犬と暮らし始めるには、まずライフスタイルを変えることが必要でした。どちらも仕事を辞めるわけにはいかないので、基本的には私が仕事を早く切り上げて家に帰ることを決意。それでも留守にする時間は毎日10時間程度にはなりそうです。そんな状態で犬を飼って大丈夫なのか、その子は不幸せにならないか? 悩みましたが、休日に充分に遊んでやることを前提に、踏み出すことを決めたのです。
次に問題になったのは、どこから(どういった)犬を迎えるかということです。チヨを保健所の譲渡会で譲り受けた時の経験、その後"犬本"を読みあさる中で知った殺処分の現実などから、私はレスキューされた成犬を、いずれかのシェルターから譲り受けたいと考えていました。ところが、見学に行ったことのあるARKさんをはじめ、いろんな保護団体の情報を調べてみると、きちんとしていそうな保護団体は全て、留守にする時間が長い家庭は譲渡対象とならないことが判明します。私達夫婦も犬を自分達だけで飼うのは初めてですから、強く掛け合ってでも譲ってもらおうという自信はありませんでした。
(生体展示をしている一般的な)ペットショップから購入することは最初っから選択肢に入っていませんので、残るのは、ブリーダーさんで成犬を譲っていただくという方法に思えました。カミさんは(私も多少は)子犬から飼うことの愉しさを捨てきれない部分があったのですが、留守がちで迎える子犬は不憫だと思っていたためです。
若い頃から、気性の優しい大きな犬に惹かれており、グレートデーンやニューファンドランドといった大型犬に対する憧れはずっと持っていました、40歳の頃にはニューファン等のブリーダーさんを訪ねたこともあります。が、実のところ犬種や血統書というものに私はそれほど興味も知識も持っていませんでした。
留守番の時間に耐えてくれそうな、そして賢くて優しい性質を持つ中型犬(自分の年齢を考えると大型犬の介護はもう無理だと判断しました)を探していく中で、ラブラドールレトリバーに行き着いたのです。
ラブのブリーダーさんのホームページ探索が始まりました。愛情と情熱を傾けて良い犬を作っておられるのだろうと好感を持てる数軒の中で、成犬をゆずっていただける可能性が記載されていて、しかも家からも一番近いのがトシエワールドさんでした。自分が考えていることを電話でお伝えし、相談に乗っていただけるというので車を飛ばして出かけていったのは 2008年9月のこと。
10年程前に見学をしたブリーダーさん達とは異なり、清潔で臭いも少ない事務所にまず驚きました。あまり口がお上手とは言えないかもしれませんが、青木さんのお話からは、理想とされるラブラドール像をしっかりとお持ちになってブリーディングを続けてこられたプロとしての自信と誇りが感じられます。その場で、この方を信頼してみようと考えたのを覚えています。
成犬を譲っていただくことには懐疑的なアドバイスをいただきました。トシエワールドさんの成犬達はずっと人が側にいる生活をしてきているので、むしろ適性を持った子犬を選んで平日は留守番が長いことを受け入れさせることの方が負担にならないだろうとのこと。なるほどと納得したものの、まだ子犬を購入させていただく決心はできずにいました。
その日は子犬を見せていただきに伺ったわけではなかったのですが、事務所には 8/14に生まれた"ミルク"と呼ばれている真っ白なオスが出ていました。その子のことが気になっていて、後日、子犬を譲っていただくことを決心するわけですが、青木さんの見立てにより、"ミルク"よりもおとなしい(まだ見たことのない)"ピンク"がウチにやってくることになったのでした。
"ピンク"から名前を変えたファルコは、本当に素晴らしい遺伝子をもった犬だと思います。ただ、いくら良い犬に生まれても、良い犬に育つかどうかは私達夫婦の育て方次第。常に肝に銘じているつもりです。
パピーの頃、散歩で会う人達からは "可愛いなぁ"とか"元気一杯やねぇ"と声をかけらることが多かったのですが、最近は "きれいな犬やねぇ"とか "立派ないい犬やなぁ"と言われることが多くなってきました。でも正直に言うと、それらの褒め言葉はちょっとこそばゆい感じがしてそれほど嬉しくはないのです。
今までで最も印象的だったのは、よく会う方がこう言ってくださったこと。
"この子はいっつも笑ってるよね!"
ラブ飼いには最高の賛辞だと思いません?
2010年02月07日
ファルコへの道のり
posted by Tosh at 11:42| Comment(0)
| 雑記帳
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