昨夜も今朝も散歩に行けなかったので、ファルコは少しふてくされ気味ですが、私の方はちょうど届いた(今日が発売日の)DVDを観る時間が取れました。

内容ですが、劇場で観た方々の感想等を読んで想像していた以上に素晴らしい作品でした。殺処分の現場を感情的に撮るのでもなく、不幸を引き起こす原因を糾弾しようというのでもなく、悲しい現実の中にありながらも何とか良くしようと"行動"する人達の希望が淡々と描かれていて引き込まれます。
ほとんどのシーンで制作スタッフの感情は押し殺されていますが、2007年末から2008年初頭に話題になった"崖っぷち犬"に関わるエピソードでは、不条理なマスコミ報道に対する憤りが映像の中に染み出していました。それでも、それを追いかけるのではなく、同時に進行していた子供達が捨て犬を育てて里親を見つける話(チロリを彷彿させるエピソード)にスポットを当てておられる姿勢に心を打たれました。

A dog is for life, not just for Christmas
地球生物会議ALIVEの調査によると、1997年度の犬の殺処分数が 356,155頭であったのが 2008年度には 84,264頭、何と4分の1以下にまで減少しているそうです (その一方で猫の処分数は 290,445匹から 202,228匹とあまり大きな変化はみられませんが)。
たった10年ほどで、日本の捨て犬を取り巻く環境は驚くほど改善したということになります。ネット上でも数多くのボランティアの方々が、一頭でも多く救おうと尽力されているのを目にして、いつも頭が下がる思いでいるのですが、その努力や不妊手術の普及啓蒙活動が報われつつあるということなのでしょう。
とはいっても、イギリスや殺処分ゼロを掲げるドイツには遠く及ばないのも厳しい現実のようですね。
私は数年前までアメリカをいわゆる"ペット先進国"だと思っていたのですが、少なくとも殺処分数だけを見る限りは日本より劣悪な状態にあると言わざるをえないようです。(このページが端的にまとめてくださっています。)
日本ほどの犬種の"流行り"はないのかもしれませんが、デザイナードッグをもてはやすような土壌と殺処分数には何らかの因果関係があるのではないかと疑いたくもなってしまいます。"引き綱条例"に関しても日本とアメリカは、イギリス、ドイツ等のヨーロッパ諸国とは一線を画していますね。
そんなアメリカでも犬猫の店頭販売に反対する声が高まっているようです。
"犬と猫と人間と"の中では、イギリスも60年前は"市場"で犬を買うことが当たり前だったという話が出てきます。
さて、日本は、それ以前に私自身はどうしていけば良いんでしょうね。
・・・

ちょっとトレーニングしたくらいで、後はグダグダするしかないファル。


明日に微かな望みを託して"かーちゃん"のベッドでフテ寝しておりました。
実は、ラルフも いわゆる ”犬屋” と呼ばれても文句の言えない犬舎出身でした。勿論、誰でも気軽に飼える犬種ではありませんので、扱っていたショップの社長さんもサイトハウンド好きだったのですが。
でも、15ヶ月の若さで突然死んでしまいました。
遺伝的な素因があったかどうかわかりませんが、少なくとも彼にだけは ”非” がなかったことは明らかです。
そう考えると、血を繫いでいく事の重さ(ブリードする事の責任の重さ)は僕らが想像している以上なんだな、と実感しました。
だから、今度の子(また、Saluki ですが。)は、”ちゃんと” 綿密なブリーディングの計画に基づいた交配をしている犬舎から迎えよう!と決意した訳です。(ラルフが僕らに教えてくれた大切な事のひとつです。)
日本のペット文化についてまず解決していかねばならないのは飼い主の意識でしょう。擬人化しても犬は幸せになれないことを認識すべきです。その為にも、もっと犬について知る必要がると思います。
”ひとつの命” について理解が深まれば、簡単に自分の生活から放り出す事なんて出来なくなるはずですもんね。
勿論、繁殖を手がける人間は飼い主以上に犬(自分の手がける犬種)についての知識や情熱を持つべきですし、飼い主以上のモラルを持ち、飼い主を教育する立場にあるべきだと思います。
だから、いくら便利だからと言ってネットで生体販売をしているのを見ると、心が痛みます。
「お求めやすい価格になっております。」なんてコメントがついてたりすると、ブン殴ってやりたくなりますね。
犬を ”売り買い” する事に抵抗を持つ方もおられますが、それまでに手間ひまをかけて下さったブリーダーさんや、親・兄弟犬への ”感謝とねぎらい” に対するお金だと僕は思っています。(その情熱に対する賞賛、と言うか。。。)
この手の話をはじめると、収拾がつかなくなるので(笑)また今度お会いした時に語りましょう!
ネットでの販売もそうなんですが、私は店頭での生体陳列販売の方により抵抗を覚えています。
ペットショップから迎えた子にも良い子が居ることを実際に知っていますが、大事な社会化の時期に、母や兄弟から引き離されて、偏った刺激にさらされているのは、間違いなく虐待だと思います。
それ以上に罪なことは、衝動買いを誘ってしまうこと。人は(ほ乳類全般は)、幼い個体に愛着を感じるように脳ができていますから、より若い子の商業価値が高まると同時に、その動物(個体)の性質もわからずに入手する人が後を絶たないのは当然でしょう。
ネット販売も店頭での生体陳列販売も、命を安易にやり取りすることを助長している点では全く同じですね。
ご存知のようにファルコは、"価格が高い"と言われることもあるトシエワールドさんから迎えました。しかし、私は全くそのようには思っていません。理想とする犬を作出するために続けられている努力や費用、無茶な繁殖をされないことを考えると、価格面でも良心的だと感じています。
こんなところに書くのも変ですが(本文に書くのは宣伝みたいでもっと嫌なので...)、HPの中で、自分たちが販売された犬に遺伝的な問題が発見されたことを公開して、交配に使わないように"お詫びとお願い"をされている姿勢には頭が下がります。
純血種に関しては、パピーミルが少しでも減って、こういったブリーダーさんが増えることを切に願っています。
なんか書いてることが支離滅裂に発散しそうなので、とりあえずこの辺でやめときますね。
あんな環境でまともな精神発育(勿論、肉体的な発育も)が出来るわけがありません。熱帯魚の水槽みたいですもんね。
恐ろしいことに、素人繁殖を助長するようなペットショップ側の ”買い取り制度” もあるらしく(しかも生まれたてが一番高額)、全く信じられません。
幼い命を可愛いと思う前に、その命がちゃんとすくすくと育つことを優先してもらいたいものです。
と、僕も支離滅裂になってきましたね。
何せ問題があまりに広範囲で語るには時間と場所が。。。
この手の話題は、つい熱くなっちゃってイケマセンねぇ...
エラそうなことを書いちゃってますが、私も渡辺眞子さんの本に出会った10年余り前までは、犬の不妊手術に(人間の身勝手じゃないかと)抵抗を感じてた方なんですよね。保健所でチヨを譲り受けた経験があったにもかかわらずです。
命を大切にするためには、相手のことをよく理解することや、感情に流されることなく自身が結果に責任を持てる範囲をわきまえることも重要なんだなぁと最近では思うようになりましたけどね。
...続きは、またお会いした時にでも。