ナットを預かり始めて3ヶ月になった今日、実は大失態を演じてしまいました。朝の散歩で"お得コース"(森の中のハイキングコース)を行ったのですが、途中でナットとはぐれてしまったのです。
通常のリード、ロングリード、オフリードでの短い距離と徐々に距離を伸ばして、即座ではないものの呼び戻しはほぼできると思っていたので、このところは他の人が来ないような状況下ではリードを外して自由に駆けさせる(そして戻ってこさせる)ようにしていました。
今朝も同様にして歩いていたところ、ファルコとナットがハイキング道から逸れて林の中に探検に入りました。今まではそういうパターンでも道から10m以上離れることはなく、こちらの様子を窺って、"おいで"と声をかけると(シブシブにせよ)戻ってきていたのですが... 今回は私達のことを気にかけることなく、ナットは一気に奥へ進んでしまったのです。
興奮気味にガサゴソと木々の間を歩き回っているファルコを呼び戻した時には、もうナットがどこに居るかわからない(何も物音がしない)状態になってしまっていました。何度も声をかけたり口笛で呼んだりするのですが、全く反応は無し...
カミさんにはファルコを連れて先に(毎日通る池の方に)進んでもらい、私はナットが消えた方向の森の中を歩き回って呼ぶのですが、やはり何も聞こえてきません。途中でイノシシの掘り返した後やヌタ場を発見したので、その臭いに惹かれて突進したのにちがいないとわかっても何の解決にもなりません。既に私は青ざめて、頭の中をネガティブな想像がグルグル駆け巡る状態でした。
一旦森を出て池まで行くと、ジンジャー君、ハナちゃんのおかあさん達とカミさんが心配そうに待っていてくれました。ひょっとしたら家に帰っている可能性もあると考えて、カミさんには帰宅して車を持ってきてもらうことにし、私はファルと一緒にもう一度"お得コース"へ。
時々立ち止まっては呼びながら、10分くらいで見失った地点に到着。そこで名前を呼ぶと... タタタッと足音がして、ハイキングコースをナットが勢い良く駆けてきたのです!
以前に森の中でどろんこになった時の何倍も真っ黒け、体中が泥だらけの状態でした。私が森の中で探しまわっていた時には、きっとどこかでイノシシの臭いを身に纏うのに夢中になっていたのでしょうが、我に返った後は本犬も不安だったようで、明らかに安堵ととれる表情で擦り寄ってきたのです。姿が見えた瞬間にはへたり込みそうなほど力が抜けた私だったのですが、戻ってきたことを褒め、冷静にリードに繋いでいるのが(他人事のような)不思議な感覚でした。
結局、見失ってから発見するまで小一時間かかったことになります。
ファルコも一回だけイノシシの巣のような場所に入り込んで、呼んでも数分間出てこなかったことがあるので、彼らの臭いというのは猫に対するマタタビのような興奮(恍惚)状態をもたらすのかもしれませんね。それ以降、ファルには二段階(通常のものと、100%戻ってくるための究極モード)の呼び戻しコマンドを用意しているのですが、ナットはもともとのアテンションのレベルも低い状態なので、強烈な臭いの誘惑の前には私の存在など消し飛んでしまったのでしょうね。
被災地から預かっている大事な子なのに、私の不注意と過信から最悪の事態を引き起こしかねない状況を作ってしまったことを猛省しているところです。
実は数日前に ARKさんから連絡があり、当初3ヶ月の予定だった一時預かりの期間を6ヶ月に延長したいというお話がありました。私に異存のあるはずもなく、"責任をもって預かります"とお答えした矢先の大失態だったのです。
ジンジャー君、ハナちゃんのおかあさん達とキンタ君のおとうさん、ご心配をおかけてして申し訳ありませんでした。
そして、ナット、戻ってきてくれて本当にありがとう!
情けない失敗談だけなのは辛いので、午後に伺った QUILT CAFEさんでの楽しい写真を少し紹介させていただきますね。
今日はかなり暑い一日だったのですが、夕方前の日陰は案外涼しかったので、広い芝生を楽しんで走るお二人さんです。
ジャムちゃんと POOHちゃんはホースから飛び散る水が大好き!
そして、ファルコは何度も"水風呂"を満喫していました。
"ウチにもプールを買ってよ"と思っているのでしょうか。
いつものようにかーちゃんに甘えるナットです。
少なくとも飼い主さんが見つかるまで、アンタはウチの子だからね!
2011年07月16日
三ヶ月目の大失態
posted by Tosh at 23:59| Comment(4)
| ワンズ日記
体はどろんこでも、けがもなく無事に帰って来てくれて・・・
ナット君がきてからもう3ヶ月、ファル君にとってもちょっと手のかかるお兄ちゃんが
できて大変なことも多かったと思いますが、
きっとファルコ家にとってもういることが当たり前、めまぐるしい日々の中でいなくてはならない存在になっているのでしょう。
ナット君もファルコ家にいるのがあと何ヶ月なのか、何年なのかわからないけど、
お山の豊かな環境の中、とーちゃん、かーちゃんに精一杯かわいがってもらって、
ファル君という弟までできて、それに、ワンズ仲間の方々にも心配してもらって、
ナット君にとって震災は辛い経験だったと思うけど今は本当に幸せだと思います。
暑い夏、とーちゃんの水泳訓練はつづく・・・ですね!(笑)
がんばって下さい。
いやぁ、本当に焦りました。こんなに心配したのは、ファルコの骨肉腫を疑った時以来です。
なんだかんだ言っても(ファルはもちろん)ナットも"問題犬"では全くないので、私が油断(過信)してしまっていたことが原因だとしか言えませんね。反省しています。
ファルコも未だに臭いを嗅いでいる時にはアテンションがこちらに向きにくい(声符を聞いちゃくれない)ですし、ナットは更にその傾向が強いです。
その上、地鼻に関してはナットの方が効くようなのです。以前に記事で触れたこともありますが、数分前に先行して散歩に出かけたファルとかーちゃんの臭いを正確にトラッキングできるようですから。
そんなナットにとっては、それ以外には意識が向かないくらい強烈な臭いが残っていたということなのでしょうね。
そういう状況下でも頭の片隅で私達人間の存在を意識していられるような信頼?関係を早く結びたいものです。
ナットははぐれた辺りに戻ってきてウロウロしていたんでしょうね。呼び声に気付いて駆けてきた時は、明らかにホッとしたような表情をしていました。
そして、強い不安も感じていたようで、その日は終日いつもとはちょっと違う"変な"興奮が続いていたんですよ。人の横にベタッと付きたがるわけでもなかったのですが、ずっとこちらに意識を向けているのがわかる感じ。
私自身は飼い主と一緒でなければ自分で判断ができないような犬の育て方はしたくないのですが、野山で自由に駆けさせるためには、もっとしっかりと絆を作り、呼び戻しだけはきっちり教えておかなきゃいけないと痛感した次第です。