2013年02月20日

放し飼いは違法?

昨日の朝から降った雪、今朝までは南向きのテラスにも積もっていたのですが、今夜はもう日陰にちょっとだけしか残っていません。

先週末は寒かったですね。その割には、連日雪化粧はするものの、すぐに融けて乾いてしまう日が続きました。
今回の挿絵は、少ししか雪のなかった土曜日午後の散歩時のものです。

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さて、いわゆる"ノーリード"の一形態?である"放し飼い"が、法令等でどのように扱われているか調べてみました。
一つ前の記事をベースにした考察ですので、"放し飼い"には(散歩時などに)"一時的に放す"ことは含めません。(定常的に)一定の広さの範囲に放して飼うという通常の日本語の意味です。

前記事で紹介した"基準"の第4-1を、他の"条例"と比較してみやすいように、例外規定を独立させた形に書き換えてみます。

犬の所有者等は、犬の放し飼いを行わないこと。ただし、次に掲げる人の生命、身体及び財産に危害を加え、並びに人に迷惑を及ぼすことのない場所において飼養及び保管する場合は除く。
(1)さく等で囲まれた自己の所有地
(2)屋内
(3)その他

私はこの"基準"を一定の法的拘束力がある法令等と捉えていますので、原則的には"放し飼い"は禁止されていると認識すべきと考えます。
ただ、例外規定の中に"その他"が入っていることによって、結局のところは、"人の生命、身体及び財産に危害を加え、並びに人に迷惑を及ぼす場所では放し飼いはおこなってはいけない"と言っているに過ぎません。

なお、"基準"が制定された時点では、多くの地方公共団体の"条例"で"けい留義務"が定められていたにもかかわらず、国としては"けい留"することを重視していない("放し飼い"をしない一つの手法でしかない)ことをきちんと認識しておく必要があると思います。

では、地方公共団体の"条例"で"放し飼い"がどのように扱われているのか、いくつかの例を見てみることにしましょう。

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まずは、"動物愛護"のスタンスが入っていない古いタイプの管理条例を今も使っている千葉県のもの(千葉県犬取締条例)を取り上げます。

第三条 管理者は、次の各号のいずれかに該当する場合を除くほか、その飼い犬を他人の身体又は財産に危害を加えないように係留し、又は抑留しておかなければならない。
一 飼い犬を他人の身体又は財産に危害を加えるおそれのない場所又は方法で訓練し、移動し、又は運動させるとき。
二 警察犬、狩猟犬又は身体障害者補助犬(身体障害者補助犬法(平成十四年法律第四十九号)第二条第一項に規定する身体障害者補助犬をいう。)をその用途に使用するとき。
三 飼い犬を運搬の用に供するとき。
四 飼い犬を曲芸、展覧会、競技会その他これらに類する催しのために使用するとき。

五 ほ乳期の飼い犬を飼養するとき。


第七条 第三条の規定により現にけい留し、又は抑留されている飼い犬については、同条各号の一に該当する場合を除くほか、何人も、そのけい留又は抑留を解いてはならない。

# 水色の部分は"オフリード"の違法性議論には絡みますが、"放し飼い"とは直接関係ありませんので、本記事では考察の対象外とします。

なんと、千葉県ではほ乳期を越えた飼い犬は、たとえ室内飼いであってもずっと"けい留"または"抑留"!しておかなければいけない(室内でも"放し飼い"は条例違反)ことになっています。
# "抑留"という言葉は、おそらく"檻に閉じ込めておく"という意味で使われていると想像しますが、はなはだ不適切な使い方だと感じます。敢えて言うまでもないと思いますが、"抑留"は部屋の中で自由にさせている状態を含みえるような言葉ではありません。

2013/02/25 追記: 読み返してみたら、ちょっと私の読解に不十分な点があったことに気付きました。千葉県犬取締条例の第三条では、"係留又は抑留"の目的とも読める"他人の身体または財産に危害を加えないように"という記述があります。普通の室内飼いで来客のない("他人"から隔離された)時間であれば、室内での"放し飼い"に関しては容認される(条例違反に当たらない)可能性があるようにも思えます。
もっとも、普段の飼養状態というのは、"訓練し、移動し、又は運動させるとき"というのには相当しませし、他の"各号"の例外規定にも当たりません。法的な文章の構造としては室内の"放し飼い"は違法と読むのが妥当だと思いますが、"人の"ではなく"他人の"という言葉によって"お目こぼし"を受けられる可能性はあるのかなと思います。


一方、千葉市の"動物の愛護及び管理に関する条例"では、以下のように記述されています。

第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
<第2項〜第5項を省略>
(4) けい留 飼い犬を逃げるおそれがなく、かつ、人に危害を加えることのないようにさく、おりその他の囲いの中で飼養し、又は鎖等でつないでおくことをいう。

第6条 所有者等は、動物を適正に飼養するため、次に掲げる事項を遵守しなければならない。
<第1項の各号を省略>
2 犬の所有者等は、前項の遵守事項のほか、次に掲げる事項を遵守しなければならない。
(1) 飼い犬をけい留しておくこと。ただし、次のいずれかに該当する場合は、この限りでない。


第一義が"囲いの中で飼養すること"とも読める"けい留"の定義には違和感を覚え(日本語の乱用を憂い)ますが、法的にはこの定義に従わざるをえません。
そうすると、屋内で"放し飼い"をしている人は、千葉市民としては問題にならないのに、千葉県民としては条例違反に問われるわけです!?

実は、これにはカラクリがありました。千葉県内では、千葉市が政令指定都市であり、船橋市が中核都市に指定されています。この二つの市には"動物の愛護及び管理に関する条例"が定められているので、以下の条文で"千葉県犬取締条例"の適用から除外されていたのです。

第十三条 この条例は、千葉市及び船橋市の区域においては、適用しない。

うーん、千葉市民、船橋市民がこのことをちゃんと理解されていれば良いのですが... なんかスッキリしないのは私だけでしょうか?

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今度は"条例"で"けい留義務"を謳っていない都道府県を紹介しましょう。
最初の例は北海道。"動物の愛護及び管理に関する条例"にはこんな規定があるだけです。

第7条 犬の飼い主は、その飼養する犬について、次に掲げる事項を遵守しなければならない。
(1) 逸走を防止し、適正に管理するため、室内、十分な広さのある囲いの中その他の人に危害を加えるおそれのない場所又は方法で飼養すること。

この条文は、国の定めた"基準"にかなり近い内容ですね。
ただし、札幌市には"畜犬取締り及び野犬掃とう条例"があり、"囲いの中"を含んだ広義の"けい留義務"が定められています。他の市町村にも同様の規定があるかもしれません。

もう一つ。静岡県も特色のある"動物の愛護及び管理に関する条例"です。
多くの都道府県の"条例"では、動物全般に関する飼い主の責務と、犬の飼い主専用の責務が条を分けて記載されているのですが、静岡県の"条例"には犬特有の責務が存在しません。# ねこ特有の責務が定められているという点でも他のものとは一線を画しています。

なお、静岡県内の多くの市では、"飼い犬条例"といった名称の条例で、犬の飼い主の責務を定めているようです。が、私の確認した範囲では、その多くは同じような内容で、("けい留"等の)必要な措置を義務化するという自由度のあるものです。静岡市の"飼い犬条例"を引用しておきましょう。

第2条 犬の所有者、占有者及び管理者(以下「所有者等」という。)は、その所有し、占有し、又は管理する犬(以下「飼い犬」という。)を飼育管理している場所において、その飼い犬の性質、形態等に応じて、丈夫な鎖若しくは綱でつなぎ、又はおり若しくはさくの中に入れておく等、飼い犬が人畜その他に害を加えることのないよう必要な措置をしておかなければならない。

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最後に、兵庫県の"動物の愛護及び管理に関する条例"を紹介しておきます。

第12条 飼い犬の所有者等は、当該飼い犬が人の生命等に害を加えないように、これを鎖等でつないでおかなければならない。ただし、次に掲げる場合で当該飼い犬が人の生命等に害を加えるおそれがないときは、この限りでない。
(1) 生後90日以内の飼い犬を飼養し、又は保管する場合
(2) 飼い犬をおりに入れて飼養し、若しくは保管し、又は囲い等の障壁の中で飼養し、若しくは保管する場合

(3) 飼い犬を鎖でつなぐ等の方法で連れ出す場合
(4) 飼い犬をおりに入れる等の方法で移動させる場合
(5) 飼い犬を訓練し、又は競技等に参加させる場合
(6) 飼い犬を狩猟、犯罪の捜査、障害者の介助等のために使用する場合


ファルコが "人の生命等に害を加えるおそれがない犬"に相当するなら、部屋(囲い等の障壁)の中で"放し飼い"することに問題はなさそうですね。

兵庫県の"条例"は、全体的によく考えられたものだと感じています。
この条文でも、いたずらに"けい留"の意味を拡大定義することは控えてありますし、"飼養し、又は保管する場合"という定常的な飼い方に関する事項と、一時的な状況下での条件とがわかりやすく分離されています。

# あら探しをすれば、"人の生命等に害を加えるおそれがある犬"は、おりに入れることができず、"けい留"でなければならないと読める点は、少し問題があるかもしれませんが...

北海道や静岡県のように、国の"基準"以上には制限を設けないというわけにはいかなかった(いわゆる"けい留義務"は温存された)のは残念ですが、例外規定の条件として犬の性質(状態)を定めている点にも多くの都道府県とは異なる(横並びではない)独自の検討がなされていることが窺われます。

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少し脱線しますが、兵庫県の"推進計画"も("条例"と同様に)、他の多くの都道府県のものに比べて優れていると感じています。

例えば、東京都の"推進計画"には "公園等の公共の場所で問題になっているノーリード(放し飼い)..."などという不適切な表現が見られますし、全体的にお役所仕事で(行政の都合ばかりが)書かれていると感じてしまう代物です。
いくつかの他の"推進計画"も流し読みしましたが、その多くに "人と動物の共生"="他人に迷惑をかけない飼い方"との考えが見え隠れしていました。

兵庫県のものは、動物介在活動などの動物が人間社会に寄与していることに言及し、真の意味で"人と動物の共生"を目指そうという姿勢(動物に対する"愛情")が感じられる文書になっています。お時間があれば、ぜひ読んでみてください。
なお、静岡県の"推進計画"も好感が持てるものでした。5年ほど前に作られた計画の中で、災害時の同行避難にまで(回答数は少ないもののアンケートまで取って)言及しているのは、静岡県のものしか見つけられていません。

余談のついでに、兵庫県の"条例"の方で、私が感動さえ覚えた条項を二つ紹介させていただきます。

(県民の責務)
第5条 県民は、自ら進んで動物愛護思想の涵養と動物の適正な愛護に努めるとともに、県及び市町の動物の愛護及び管理に関する施策に協力しなければならない。


(動物の所有者等の遵守事項)
第10条 動物の所有者等(法第10条第1項に規定する動物取扱業(以下「動物取扱業」と いう。)を営む者を除く。)は、次に掲げる事項を遵守しなければならない。

<第1項の(1)〜(8)を省略>
(9) 動物の飼養又は保管の作業を行う者の健康管理に留意すること。

県民の責務に "自ら進んで"という言葉を盛り込み、動物の飼い主は"健康管理に留意"すべきと踏み込んであるものは、私がちょっと調べた限りでは兵庫県だけです。このような県に在住していることに感謝したいと思います。

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話が発散してしまいました。
今回の記事は、"放し飼い"の違法性でしたね。

もう一度まとめておくと、

国は、"原則として放し飼いは禁止"と定めている。ただし、"人の生命、身体及び財産に危害を加え、並びに人に迷惑を及ぼすことのない場所"においては容認されると考えて良いでしょう。

各地方公共団体によって"放し飼い"に関する規制は大きな違いがあります。千葉県のように室内飼いであっても"けい留"していないと"拘留又は科料"という処罰対象になるような自治体から、静岡県のように(県下の多くの市も同様に)国の"基準"以上には規制しないという自治体まで。北海道のように道と主要都市でスタンスが異なる自治体もあります。

したがって、原則的には"放し飼い"は禁止されているものの、狭義(本来の意味)の"けい留"を義務付けているかどうかなどは、所属する地方公共団体によってさまざまであるというのが結論になるかと思います。
posted by Tosh at 23:59| Comment(14) | 雑記帳
この記事へのコメント
雪遊び、楽しいですよね&#9836; 『放し飼い』と言う文言には 私も疑問に思っていました。今年に入って 近所の公園で子供が遊ぶ声がウルサイと公園の隣の家の苦情で サッカーなどの球技を公園で遊べなくなっている子供達の為に 公園から少し離れた場所にフェンスで囲った遊び場が出来ました。子供達が学校にいってる間や夜人の居ない時間帯にソフィー達をオフリードにして遊ばせていたら、ある朝、行くと その文言が書かれ、市の警察署などの公的な所の名前も書き添えられた紙が貼ってありました。何だか、名指しされた様で 別に放し飼いしてないし!と思いながら
不愉快なので それっきりその場所にいっていません。やっぱり、変ですよね。そして、公園で遊ぶ子供達の声がウルサイと言うオジサン(°_°)(有名です)夜中や四六時中ではないのだから そんな事を言う方がよっぽどオカシイと思う私です。
Posted by ゆきてぃ at 2013年02月21日 23:41
ゆきてぃさん、
ご無沙汰しています。(もちろん ソフィーちゃん、エマちゃんも含めて)お元気でしょうか?

新たにできた遊び場への張り紙、どなたかからの苦情があったということでしょうね...
その遊び場がどんな位置付けのものかわからないので、一般的な(行政が管理する)公園についての話になってしまいますが、公園への犬(連れ)の立ち入りを禁止する処置の法的根拠ははっきりしない場合が多いようです。正式には新たに条例(規則)を作って、"○○公園は犬禁止とする"といった手続きが必要になるはずですですからね。

書き始めている次の記事でも触れる"オフリード"を(そして"公園に犬を入れること"も)禁止する国の法令等はありません。条例等についても、これを明確に咎めるには曖昧な条文が多いようです。
そこで、"放し飼い禁止"という便利な言葉の出番になっているというのが実態なのだろうと、私は想像しているんです。一応は国の"基準"で"原則として禁止"が謳われている事柄なので(ウソではないので)、その言葉を掲示することで"苦情"が減ってくれるのなら、行政にとってはありがたい話なのでしょう。徐々に不適切な拡大解釈(や作為的な意味の拡張)を伴う濫用が起きるのは当然かもしれません。

私は一連の記事の中で、行政の姿勢を問題にしようというつもりではありません。# ゆきてぃさんと同じ経験をしたら、間違いなくムッとして文句の一つも役所に言いたくなるとは思いますが...
たぶん本質的な問題点は、一部の声の大きいクレーマーのような方の存在であり、そして、そういった方に対して社会正義を観点から"正論"で説得せずに、安易に"臭いものに蓋をして"その場を凌ごうとする社会の風潮じゃないかと考えているのです。

先日、NHKの番組中で保育所〜学校の騒音に苦情を付けるお年寄りが増えているという話が出てビックリしたことがあります。
健全な社会であれば、子供の声や犬の散歩等は(一時的には気になることがあっても)むしろ温かい気持ちにさせる平和な良い環境の象徴とさえ思うんですけどねぇ... 何かが病んでしまっているんでしょうか。
Posted by Tosh at 2013年02月22日 17:41
はい!お蔭様でみんな元気にしています!ありがとうございます!

どなたかの苦情があったかも知れませんね。私がワンコ達と遊んでいたら通りすがりのご老人が
『大きなワンちゃんだけど、賢いだすな〜』と温かいお言葉をかけて下さって 少し、鼻が高くなりましたよ 笑 ただ、そのフェンスで囲まれた広場(空き地と言える様な)は、保育所と阪神教育なんチャラ?(公的機関)建物の間に出来ているので そう言う形にした様に思います。どなたに迷惑を掛けるでも無く していても 疎まれるのは ある程度のマナーが守れていない証なのかも知れませんね。
Posted by ゆきてぃ at 2013年02月23日 01:29
ゆきてぃさん、
今日もウチの辺りは雪がちらつき続けていて寒いです。GRTの練習をしなきゃと思っていたのですが、ファルコの爪の一本が縦に割けてしまってたりもするので、今日はお休みにしちゃいました(笑)。

マナーの問題って難しいですよね... こちらが十分に配慮しているつもりでも、犬が嫌い、怖いっていう方に納得していただくのは至難の業かもしれません。
以前、ネットで"身体障害者補助犬法"は犬嫌いの方や犬アレルギーの方の生活を脅かす悪法だといった主張を見かけて考え込まされたことがあります。

突き詰めていくと、人間が生きていくには、必ず他者を犠牲にしてしまう要素があるのだと思います。食べ物だって、(植物も含めて)他の生物の命をいただいているわけですからねぇ。
結局、他者に配慮し、受けた恩に感謝しながら生きる、そして、他者の要求のために譲歩し合う努力を続けるしかないのかもしれません。

この点についても、実は(2回後の)記事でちょこっとだけ触れるつもりでいます。あまり期待しないで待っててくださいね。
Posted by Tosh at 2013年02月23日 16:37
介助犬も 問題になるなんて…{(-_-)}障害を持った方々は目となり足となり、耳となってくれている身体の一部なのに…。やはり欧米より 日本での犬や馬などに関する歴史が浅いと言うところも大いにある様に思われます。はい!拝読させて頂きますね!GRTの練習は 私もシッカリしてませんよ〜。ファルコくんの爪、足元を怪我すると時間もかかりますからね。どうぞ、お大事に!
Posted by ゆきてぃ at 2013年02月23日 20:39
公道でリードつけずに散歩(加害者は「脱走した」と言い張る)していたワイヤーフォックステリアに襲われて脊髄損傷の重症になりました。
舐めたまねして、いざ問題おきたら脱走しただの犬に責任被せようとしたクズでした。街中で屋内から脱走した犬を自転車で追いかけるなんて事があるもんか!!
まともに躾もされず、狐狩りに使うような気性の荒い犬をリードもつけずに自転車に乗って散歩させてたアホですわ!!億単位の損害賠償請求の訴訟になります。
「うちの犬は大丈夫」なんてノーテンキなことを抜かしている似非愛犬家は飼い犬が人間に危害加えたら絶対に言い訳せずにきっちり損害賠償して下さい。もちろん過失傷害罪でブタ箱に入って下さいませ。
入院で精神的に壊れかけてきたパピヨン大好きな男の独り言です。スルーしてください。

Posted by 賠償責任果たせるなら好きにすれば at 2014年03月18日 23:54
賠償責任果たせるなら好きにすれば さん、
"スルーしてください"とのことですが、私も独り言を少しだけ。

まず、大変な災難に遭われたことにお見舞い申し上げます。少しでも良くなられることを願っています。

いろいろご心労がおありでしょうから、"放し飼い"というキーワードに敏感になっておられるのだろうとお察ししますが、私がこの記事で述べているのは"違法性"に関する議論であって、感情的な誘導をしているつもりはありません。ましてや、私自身は"うちの犬は大丈夫"だと書いたことは一度もありませんし、そう思ってもおりません。

話が少しズレるかもしれませんが、私は車を運転します。"私は事故を起こさない"と思ってはいませんし、不運や不注意で加害者になってしまうことがあると覚悟した上で選択していることです。
もしも重大な危害を加えてしまった際には、被害者の方から罵られることもあると思います。当然、できる限りの償いもすることになるでしょう。
が、そういったことが起きる可能性があることをもって、車を運転すること自体が"違法"になるわけではありませんよね?
"こんなクズもいるのだから、車を運転している人は皆が反社会的な存在だ"という感情的なキャンペーンを張られたとしても、同調する人はそう多くはないでしょう。

ところが、犬に関しては、そういった非常識なムード作りがそこここでおこなわれているのを情けなく思っています。
Posted by Tosh at 2014年03月19日 01:06
車を例に出されていますが、犬を屋外で[野放し]、[オフリード]、[放し飼い]をしてるのは全く身勝手な理由で、法令遵守せずに[無免許飲酒薬物暴走運転]しているのと同義じゃないですか。
警察に捕まんなきゃイイや=人様噛まなきゃイイや。全く同じ精神構造だ。
オフリードで「うちの犬は大丈夫」なんて何の保証にもなりゃしません。
私を脊髄損傷させた加害者には二億円近い損害賠償の請求になるでしょう。
金持ちでブタ箱入る覚悟ある方はどーぞ犬を野放しにして下さい。
Posted by パピヨン大好きなおっさん at 2014年05月21日 01:15
パピヨン大好きなおっさん さん、
今週は何かとバタバタしていた上に体調もすぐれず、返事が遅くなってしまいました。ご容赦ください。
文脈からすると2ヶ月前にもコメントをくださった "賠償責任果たせるなら好きにすれば"さんと同じ方だと判断しています。ちょっとお名前が長いので、今回の"パピヨン大好き"を略して PDさん とお呼びさせていただきます。

さて、入院生活が長引いて本格的に"精神的に壊れ"てしまわれたんじゃないかと心配しております。普通の感覚では、私のこの記事に対して筋違いで感情的な言い放ちを何度も繰り返せることが理解できないものですから。

一度お返事のような"独り言"を書かせていただいてますので、今回は無視させていただこうかとも思ったのですが、たまたま検索等でこの記事とコメントだけを読まれた方が混乱されても困りますので、私なりの見解を述べさせていただきます。
今回いただいたコメントの前半には敢えて返答する必要も感じません。"ノーリード撲滅"を謳っておられる方々のページ群と同様に、短絡的で非論理的な無茶が書かれているだけなので、議論になるとも思えませんから。あしからず。

PDさんの主張は最後の3行なのだと私は判断しています。前回のコメントとも共通していますからね。そしてそれは2つの内容からなっています。

一つ目、"うちの犬は大丈夫"という過信は問題であるということ。
この点については私も異論を差し挟むつもりはありません。これだけだったら、安易に犬を放すことに対して、ヒールを演じてでも警鐘を鳴らしておられると好意的に受け止めることもできたでしょう。

二つ目、"犬が危害を加えたら莫大な損害賠償責任と刑事罰が生じる可能性がある"といった意味の警告。これも、可能性の問題としてみれば、大きくは間違っていないのかもしれません。が、一度ならず二度までも、億単位の損害賠償額と"ブタ箱"行きをちらつかせられたことによって、悪意を持った印象操作をされたいのではないかという疑念が生じました。

ちょっと検証してみましょう。

脊髄損傷の重傷を受けたことによって二億円近い損害賠償を求めるというケースはもちろんありえると思います。働き盛りの比較的収入の高かった方が障害等級1級に認められれば、逸失利益はそういった数字になることもあるのかもしれません。"訴訟"という言葉も使っておられますから、コメントの読み手は弁護士が付いて適切な数字が弾かれたかのような印象も受けますね。

ところが、いくつか不可解な点があるのです。PDさんは、(自転車が走れるような)公園でワイヤーフォックステリア(WFT)に襲われて脊髄損傷の重傷を負ったと主張されています。(人には敵対的でないものの)他犬には好戦的な個体も見受けられるWFTですが、体重は10Kgに満たない小型犬です。PDさんも噛まれたとは書いておられませんし、仮に咬傷事件だとしても、それで脊髄損傷は起こりえないでしょう。では何が起きたのか... PDさんは転倒されたのでしょうか?老人ならともかく、壮齢の男性が普通の転け方をしたくらいでは脊髄損傷なんてことは起こりません。想像できないくらいに不運な形で(尖った遊具の上に背骨をぶつけるといった)転倒をされたか、何らかの理由によって高いところから落下されたくらいが可能性としてはありえると言えるでしょうか。

"二億円近い損害賠償"という専門家が付いているかと思わせるような書きぶりですが、もう一つ不自然な点があります。"過失傷害罪でブタ箱に入って下さい"と書いておられますね。文脈を読むと"ブタ箱"は留置場ではなく刑務所を指していると読み手が受け取るような書き方です。ところが、過失傷害罪に対する処罰としては"30万円以下の罰金または科料"が定められているだけで、懲役や禁錮はありえないのです(もっとも、悪質な"過失"が認定されれば別の罪名で刑務所行きも可能性はありますが)。訴訟を起こそうという方に対して、弁護士はそういった基礎的な知識も与えなかったのでしょうか?

こういった不自然な主張が繰り返されるに至っては、PDさんは本当に被害に遭われたのだろうかと私が疑問に思っても仕方ないのではありませんか?
更に心証を悪くしているのは、コメントしておられる時間帯です。要介護の重病人がわざわざ夜中ばかりに書き込みをされるものでしょうか?

率直に言ってしまうと、私の一連の記事を心良く思わないPDさんが、ブログ訪問者に対して "でもやっぱり、犬はずっと繋いでおかないとトンデモないことが起こりえる"という印象操作を試みておられるように思えてならないのです。

もしそうでないならば、どうぞご自身の災難をメディアに売り付けるなりして、おおっぴらに事件として取り上げてもらってください。> PDさん
私の調べた限りでは、犬が起こした事件で1千万円を越える損害賠償が認められたのは非常に稀でしたので、億単位の賠償金額が出ればメディアは飛び付くでしょう。

・・・
さて、PDさんの主張とは直接関係しないかもしれませんが、犬が何らかの原因となって損害を与えてしまった場合には、飼い主はそれを賠償しなければならないという点は間違いのないことです。

過去には、散歩中の犬が突然吠えたことに驚いた老人が転倒、骨折した事件に対して400万円強の損害賠償を命じられた判決もあります。私は法律家ではないので判決の妥当性は評価できませんが、かなり憂鬱になる判例ではありますね。
ちなみに、その犬はラブラドールでリードには繋がれていた状態です。

つまり、損害賠償の責を追う犬が引き起こす事件というのは、リードの有無だけでは決まらないということです。私は小型犬にギャン吠えされて目眩いを覚えた経験がありますが、その時に昏倒していれば...
にもかかわらず、"ノーリード撲滅派"の方々はオフリードにすることだけをなぜあんなにも感情的に攻撃するのでしょうね?

昨今の、医療過誤を巡る紛争に少なからず起因する(特に産科などの)医療崩壊、モンスターペアレントによる教育崩壊... ヒステリックでギスギスした世の中になってしまったと気が滅入ることと関連があるように思えてなりません。
Posted by Tosh at 2014年05月25日 00:15
公道(歩道)上でノーリードの犬に襲われ転倒、
頚髄損傷になりました。
現在入院6ヶ月目に突入です。
現時点の分かっている損害賠償額。
入院治療費約360万円(健保使用)
休業損害約200万円
住宅改修工事費用約150万円
車椅子費用約130万円
介護用品費用約100万円
自動車改造費用約120万円
傷害慰謝料約300万円
後遺障害慰謝料約2800万円
近親者慰謝料約400万円
想定介護費用約36万円/月(死ぬまで)
想定通院治療費約10万円/月(健保不使用,死ぬまで)
想定逸失利益約6000万円(67歳迄)
想定介護用品等買替費用約1200万円(自動車改造含)
想定費用はライプニッツ係数がかかるので、
実際に積み上げた額より低くなります。
平均余命まで生きたとして、
トータルで3億円くらいになります。
弁護士費用約約3000万円(10%として)

犬による傷害だって交通事故と一緒です。
保険に入ってなかったら払い切れないし
加害者一家離散もあり得る。
被害者は泣き寝入りするしかない。
新聞テレビ沙汰になって名前だされたくないから
刑事告訴は保留にしてる。
私みたいなのは多いと思うよ。

加害者が保険で個人賠償特約に入っていたから
泣き寝入りせずに済みました。
犬飼ってる方は自動車保険は特約フルセットしましょう。
Posted by ノーリード犬に襲われ脊髄損傷 at 2014年06月13日 21:52
ノーリード犬に襲われ脊髄損傷さん、
前回、私がPDさんとお呼びした方ですよね? 何度もコメントをありがとうございます。

私は法律家でも保険屋でもないので、列挙くださった損害賠償額が妥当なものかどうかは判断できません。また、自動車保険の個人賠償特約でそういった金額が民事訴訟の手続きもなしにポンと支払われるかどうかも知りません。裁判になった場合には、どういった状況であったかによっては、過失相殺されることもありえるでしょうし、結局のところ億単位の損害賠償とおっしゃっているのが現実的なものかどうかは、(私だけでなく)このコメントの読み手にはわからないと思います。

が、今回お書きいただいた内容には同意する部分があります。
"犬による傷害だって交通事故と一緒です..."という箇所はその通りだと思います。ですので、私も自動車保険には個人賠償特約を付けていますし、更にペット保険にも賠償責任特約を付けています。

ただ、前回も最後の部分で書いたのと同じ主旨のことをもう一度書かせていただきます。
犬による傷害(損害賠償)は、いわゆる"ノーリード"が引き起こすものばかりではありません。
私は"マールのドア"という記事の中で、日本の犬の咬傷事故について少し分析しています。公的なデータによると、近年は"ノーリード"(放し飼い)犬による事故数よりも、オンリードで散歩(運動)中の事故の方が上回っています。ご確認いただければと思います。
http://falkor.jinendo.org/article/64228103.html

もっと言えば、雨の日に傘をさしていたら風に煽られて他人の目を傷つけたなんてことだって起こるわけで、"犬を飼うこと"が特別に危険だというわけではなく、現代社会(都市)においては生活のあらゆるところに損害賠償の危険性が潜んでいると捉えるべきではないでしょうか?
Posted by Tosh at 2014年06月13日 23:08
ここを荒らしてしまって申し訳ありません。

またもや長文失礼します。
手が若干動くようになって、適当に「犬、傷害」
とググってたまたまここにたどり着いたときに
荒みきった精神で書きなぐっておりました。

なぜ脊(頚)髄損傷になったか深読みされておりますが、
元々障害あって車椅子乗りです。
仕事復帰に向けてトレーニング兼ね愛犬(パピヨン3kg)と
散歩に出かけたところ、歩道前方にノーリードの
ワイヤーフォックステリア(9kg)に気付きました。いや、
唸りながらこちらに向かってきたから気付きました。
とっさに愛犬を抱上げましたが、テリアは私に
飛びかかってきて、犬二匹を抱えた感じで真後ろに
転倒、後頭部と腰を氷点下のアスファルトに強打。
手足完全麻痺(当時)しました。テリアはなおも私に
攻撃しようとして顔面に喰いつかれそうになりました。
ギリギリで加害者が自転車に乗ってかけつけて噛まれずに済みましたが、服は爪と牙でボロボロにされて指を噛まれていました。愛犬も二回り大きい相手に果敢に立ち向かってくれたのが嬉しかった(リードが短いから逃げれなかった!?)。

私が何に一番ムカついたかというと、加害者がテリアを
引き離すときに蹴りあげた(飼い主として躾できていないことを自覚せずに犬に責任転嫁した)事と「犬が逃げた」
などと飼い主としての責任を自覚せずに犬に事故の原因をなすりつけた言い訳を事でした。(こいつは犬飼う資格無い!!)

「犬が逃げた」って、市街地で自転車に乗って追いかけるのは、地図はだせないが道路の配置とそれぞれの位置関係考えると不自然(ようはチャリでノーリード犬の散歩)だし、自転車で探さなければならないほど犬の脱走に気がつかないなら、それはそれで重大な過失です。

私の怪我の症状書ききれないですが、一番は脊(頚)髄損傷C4不全です。ほんの数ミリ損傷部位が広かったら呼吸筋麻痺で窒息死でした。今も呼吸は苦しい。今は手が多少動くようになりましたが、下肢は全廃、発汗障害、直腸膀胱障害etc.依然の状態から格段に悪化しました。常時介護状態です。

入院して加害者を呼んだときに家族連れで病院内でキーキー騒ぐ躾されてない子供つれてくるわ、東京都の条例に則った届け出関係と保健所での検査の結果を報告しろと言ったにもかかわらずいまだに連絡も面会もなし。
保険屋に(金関係)まかせたからあとは知らんぷり、人間として不誠実極まる加害者ですわ。信用できません。

損害賠償額はザックリですので真剣に吟味しないで下さいね。ただ元が障害者なんで逸失利益や介護費用の算定で安く見積りされるのには対抗措置はしてあります。障害者だから働いたらダメなんて法律はないですしね。

加害者を刑事告訴しないのは示談→損害賠償訴訟対応に注力してるから身体的時間的にキツイからなだけです。弁護士に詰めてもらえば症状的に重過失傷害罪はほぼ確実。晴れてブタ箱です。前科持ちになります。今後の仕事にどれだけ影響でることでしょうか!?

犬を飼っている方は必ず犬を(トレーナーに預けてでも)躾ましょう。そして、保険に入りましょう。
万が一、犬が他人に危害を加えてしまったとしても、
それは管理できなかった飼い主の責任です。真摯に
受け止めて、被害者には誠実に対応しましょう。

ちら裏でした。長文、スルーして下さい。


私が告訴して、ちょっと偉いさんに頼めば




Posted by パピヨン大好きなおっさん at 2014年06月13日 23:59
荒らしてごめんなさい。
視力障害も発生してて、
推敲しているつもりですが
誤字脱字改行ミスありますね。
読み辛くて申し訳ありません。

私の主張は、
犬(動物)を飼うなら、その動物の
性質をよく理解して愛情をもって
躾、管理をすること。
飼っている動物が飼い主に従順
だとしても他人に対しても従順
だと考えてはいけない。
他人に危害を加えてしまったなら、
その責任は動物ではなく、自身が
全て負うこと。
万が一に備えて保険には必ず入る事。
自治体の条例や保健所の情報や対応
は押さえておく事。

です。

人気のない野原や山道でまでリード
絶対につけろとはいわないが、人の
姿みつけたらすぐにリードつける位
の配慮はしましょう。
市街地では絶対リードはつけましょう。

加害者の○上にはムカついています
が、ワイヤーフォックステリアには
怒りはないです。飼い主がDQNで、
躾されないで可哀想だなぁです。

もう寝ます。おやすみなさい。

Posted by パピヨン大好きなおっさん at 2014年06月14日 00:34
パピヨン大好きなおっさんさん、
詳しい説明をありがとうございます。大変な目に遭われていたのですね。あらためてお見舞い申し上げます。
それと、5月25日の返事コメントで、本当に被害に遭われたのか疑問だと書いてしまったことは撤回させていただきます。気持ちを害されたかと思います。申し訳ありません。

今回のパピヨン大好きなおっさんさんの主張に関しては、ほぼ全面的に同感です。
このような不幸な事態が起こりえることをしっかり肝に命じておきたいと思います。

症状が少しでも改善しますように!
Posted by Tosh at 2014年06月14日 13:36
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