2010年03月09日

英国でみた犬風景

ファルコを迎える少し前に、ずっと行きたかったイギリスに旅行してきました。主な目的は とあるクルマのイベントと憧れのコッツウォルズを見てくること。ロンドン等の都会はパスしちゃったのですが、イギリスで垣間見た犬に関すること等をちょっと書き留めておきます。

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ドラゴンのいる家で紹介したブルードラゴンを入手したのは、有名な Hidcote Manor Garden。すばらしい(何でもアリの)ガーデンでした! でも、個人的趣味としては、お隣の Kiftsgate Court Gardensの方がお気に入りになりましたけどね。犬ネタじゃないので、ガーデンのことはこのくらいにしておいて...

コッツウォルズは観光地だからなんでしょうか、期待していたほどには犬連れの人を見かけませんでした。実のところ、レンタカーで村から村へと走っている時に出くわしたホーストレッキングの人数と大差ないくらい。羊はその何千倍もいましたけど。

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レストランの店先でおとなしく待っている二頭を発見。最初、カーリーコーテッドかなと思ったのですが、なんかシッポが変。後で調べてみたのですが、Irish Water Spaniel なんですかね? 初めて見る姿でした。

イギリスのカントリーサイドらしく、犬種としては黒ラブを一番多く見ました。骨董屋さんにもハンティングに関する絵画で黒ラブが描かれているものが多くありましたし。
オフリードで散歩しているのがポピュラーかなと思っていたのですが、少なくとも街中ではほとんど見かけませんでした。ただ、骨董市の人ごみの中でもお行儀良く飼い主の横(や後ろ)を歩く姿や、それを全く気にしていない他の人達の反応は、犬が人間社会の中にしっかりと溶け込んでいる感じがして羨ましく思いましたね。

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ある町の裏通りを歩いていると、何とかDog Centreと書かれた看板を見つけました。シェルターなのかなと探してみると、行き止まりの路地にそれらしき建物を発見。ところが、写真のようにたくさんの犬達が走り出てきてワンワンと大合唱を始めてしまいました。人がやってきて"何やってるんだ"と詰問されてもちゃんと答える英語力はなかったので、早々に退散しました。ふらふら
これって何だったんだろう? ブリーダーさんだったのかなぁ...

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すごく印象に残っているのは、ところどころで見かけたこんな箱。そう、犬のウンチ箱ですね。ちょっとした公園とか散歩道みたいな所に複数のタイプのものを見かけました。今の日本では人間用のゴミ箱も減って来ているので、こういうのはドッグランでしか普及しないんでしょうね。
# ちなみに写真中の芝生の先では馬がのんびり草を食んでいます。

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ある町でみかけたドッグショーのポスターです。プリンタで打ち出したのをクリアファイルに入れて立ち木に画鋲で留めてありました。いかにも手作り。
プログラムがとても興味ある内容です。

最初の Class 1.からして意味がわかりませんでした。Musical Sits って何? 後で調べてみたのですが、ひょっとしたらと思っていたとおり、"椅子取りゲーム"みたいなもののようですね。
Class 4. Best Biscuit Catcher とか、Class 7. Sausage Gobbling Race は何となくルールが想像ができました。楽しそうですよね。
全くどんなのか理解できなかったのは Class 6.の Waggiest Tail。waggyなんて単語、普通は知らないですよね? これまた後で検索してみたら、ポピュラーな表現みたい。ようするに "しっぽフリフリ比べ"ってことかな。Youtubeにもいろいろ投稿がありました。

こんな楽しそうなドッグショー、見物しない手はない!と思ったのですが... 私が帰国しちゃってからの開催日でした。残念 もうやだ〜(悲しい顔)

ひょっとしたら、日本でもこんなドッグショー(っていうか犬とのお祭り?)ってやってるんですかね。一度参加してみたいなぁ。
posted by Tosh at 23:57| Comment(2) | イギリス

2011年03月27日

Crufts-展示会場編

大震災が日本を襲ったその日、私たち夫婦は海を渡ってイギリスに向かっていました。
Crufts(クラフツ・ドッグショー)の開催に合わせて、ペット先進国といわれる彼の国の犬と人との付き合い方を垣間みて来れたらいいなというのが今回の旅のテーマです。

基礎知識も語学力も不足しているので、消化不良な紹介の仕方になってしまうと思いますが、数回に渡ってイギリスで撮ってきた写真などをお披露目しますね。まずは Crufts 2011の展示会場の様子を記録しておきます。

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Cruftsは世界最大のドッグショーと言われます。Charles Cruft氏が1871年に始めた時は 2000頭を集めた品評会だったそうですが、120年目を迎える今や品評会へのエントリが 22000頭、参加合計数は 28000頭に及ぶ規模で、現在の運営は The Kennel Clubがおこなっています。
会場は Birmingham郊外の The NEC (National Exhibition Centre)、日本なら幕張メッセとかインテックス大阪のような展示会場と、隣接する LG Arenaという(普段はコンサートなどで使われる武道館や大阪城ホールのような)多目的ホールです。

Arenaに設置された Main Ringは、ドッグスポーツや主立ったプログラムのために用意され、通常のジャッジや物販などの各種ブースは The NECの 5つのホール(展示会場)内でおこなわれています。で、この会場が広い!
日本最大の面積を持つ東京ビッグサイトの全てのホールを合わせたよりも広い空間を Cruftsショーで使っているのです。Arenaを合わせると、ちょうど東京ドーム2個分くらいのエリアになります。

実は私は、品評会の部分にはほとんど興味がなく、日本のドッグショー(ペットショーを含む)も一度も見たことがありません。なので、それらとの比較はできないのですが、着いてみて最初に戸惑ったのが、"広過ぎて、どこで何をやっているかわからない!"ことでした(公式パンフレットには当然エリアマップも載っているのですが...)。

Crufts 2011は 3/10(木)から13(日)の 4日間おこなわれたのですが、私たちが見学するのは後半の二日間。一日目の土曜日は、全体を見て歩いて雰囲気を楽しむのと"お買い物"に充てることにしました。

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この写真は犬種ごとの品評会(ジャッジ)がおこなわれる Ringと呼ばれる場所。緑色のカーペットが敷かれた正方形の空間ですが、これが会場内に36カ所!設けられています。
その他にもオビディエンス競技会専用の Obedience Ringや、GDCS(Good Citizen Dog Scheme) Ringなど複数の Ringがあり、それぞれの会場で一日中いろんなプレゼンテーション等がおこなわれているのです。

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一つ前の写真でも奥の方に写っていますが、これは Dog Benchesと呼ばれる控えの間?。レースで言えばパドックのようなもので、プログラムに参加する犬達が待機しています。各種Ringと Dog Benchesで約半分の面積を占めていました。
ジャッジに関しては、土曜日がハウンド系とテリア系、日曜日がトイ系とユーティリティ系に割り当てられていました(一番興味を持っているガンドッグ系は木曜日に終わっています)。なので、あるエリアではサルーキがワラワラ、となりにはアフガンがてんこ盛りといった一種異様な雰囲気が楽しめます。

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実はこの写真は会場に入ってすぐに目にした光景。アイリッシュ・ウルフハウンドを実際に見るのは初めてでした。デカイですねぇ!
品評会に出場する同犬種もたくさん集まっていましたが、この犬は介助犬のデモンストレーションのようです。

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真ん中のホールに設けられた Discover Dogsというエリアです。200数十のブースが並び、200種以上の純血種の犬達を見ることができます。リトリーバー類だけみても、チェサピークベイのように本でしか見たことがなかった種類や、ノヴァ・スコシアといったその存在自体を知らなかったものなど様々な犬を目にすることができました。

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秋田犬(Japanese Akita Inu)と柴犬の二つのブース。なんか妙にオリエンタルなディスプレイに違和感を覚えますが、結構人気がありました。他にも Akitaというブースもあってそちらは普通の展示だったんですが、どちらかが US秋田というわけではなかったように思います。Discover Dogsはブリーダーや愛好クラブが出展しているようで、多少の重複はあるようにも感じました。
# Salukiの隣に Sloughiが並んでいるのは、同じ犬種の別の国の呼び方かと思っていたのは恥ずかしい秘密ですケド。

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中央のホールには、The Kennel Club自身の出展エリアが集まっていました。この写真は Dog Activities Ringでおこなわれていた Gundogsのデモンストレーション。ダミーを使ったリトリーブの基本を教えてくださっていました。この写真はリトリーバー系の犬達によるプレゼンですが、スパニエルを使ったデモも面白かったですよ。

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同じ場所では、服従訓練や Heelwork to Musicなどいろんなアクティビティの基礎講座?がおこなわれていたのですが、これはアジリティの一コマ。いろんな犬種(アジのエキスパートではない犬達)が登場して、いろいろな障害の通し方などをレクチャーしてくださっていました。
このコーナーには"Why not try Flyball!"といったそれぞれのアクティビティのパンフレットが置かれ、犬と飼い主双方に合った楽しみ方をアドバイスもされていました。
コーナー全体のテーマは"Unleash your dog's potential"。こういう形でいろいろ紹介してくださっていると、毎日ただ散歩してるだけじゃなく何か始めたくなっちゃいますよね!

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展示会場の半分弱の面積を占めるのがいろんなお店や団体のブース(Trade Stand)です。物販店がほとんどですが、セラピー犬の普及啓蒙をおこなう団体や、Blue Crossや Batterseaといった動物保護団体も出展していました。
# やはり Dogs Trustは戻ってきてはいませんでしたが。

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日本では見かけないような犬グッズやアクセサリーなどを探して歩くことも楽しみにしていました。
全部で500くらいのお店が並んでいるわけですから、それはいろんな物が揃っていましたよ。ハンティングウェア専門店みたいなのからペット用のサプリメント屋さんまで。トリミング用品だけ扱っているところもあれば、多種なお土産小物が並んでいたり。何せ広いので歩き回るのには疲れますが、じっくり見て歩いたらそれだけで二日間くらいは潰れてしまいそうです。
そんな中で、何軒かあった車載クレート専門店の写真を一枚だけ。犬と一緒に出かけることが当たり前の文化だからでしょうか、(ワンオフ制作も含めて)荷室を完全な犬小屋化することが珍しくないのかなと妙に感心してしまいました。

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会場の外の様子も一枚。金曜と土曜に宿泊した Hilton Metropoleから The NECに繋がる小道です。日曜の夕方、Best in Showに向かう時のものなので、写っているダルメシアンは品評会を終えた戻ってきたところでしょう。この期間、このホテルは Crufs関係者で一杯になるようで、ロビーやエレベータの中でもいろんなワンズに会えました。インフレ価格になっちゃうのですが、近くて便利ですから Crufs見学を予定しておられる方はぜひ早めに予約をされると良いと思います。

というわけで、断片的ではありますが、Crufs 2011の展示会場の様子をお伝えさせていただきました。

ファルコの写真も少しだけ。

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先週土曜日(帰国した翌々日)のお散歩時の写真です。
留守番期間の後半をハナ母さんが預かってくださったこともあって、ファルはすこぶる元気です。もともと依存心が強くないからなのか、金曜の夜に一週間ぶりに会った時も、異様に興奮することもなくごく自然に"お帰り!"って感じでした。それだけハナ母さんちの居心地が良かったんだよね!
本当にありがとうございました。

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今日の散歩からも一枚。ガウディ君、アルちゃん、ソル君ちに最近やってきたダイスケ君。あるショップで売れ残っているのが気になって連れて来られたという4ヶ月のパピーです。足なんかムクムクでメッチャかわいかったです!
あ、ファルコが着けてるのは、Cruftsでお土産に買ってきた DOXLOCKというハーネスです。ロゴのところがマジックテープになっていて小さなバッグなどを装着できるんですよ。
posted by Tosh at 15:12| Comment(6) | イギリス

2011年03月29日

Crufts-アリーナ編

Crufts 2011見学記の2回目。Arenaに設置された Main Ringでおこなわれたプログラムの一部を、写真中心で紹介したいと思います。

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まずは Flyball から。このフライボール競技、実は私はJKCの紹介ビデオでしか見たことがありませんでした。
Main Ringで観戦できたのはチーム競技。4つのハードルを越えてボックスまで行き、ボールを銜えてまた帰って来るというのを4頭の犬でリレーする。それを横に並んだ2つのレーンを使って2チームでタイムを競うというものです。
シンプルだし勝敗がわかりやすいのでとってもエキサイティングでした!

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JKCの紹介ページではクラフトタイプのボックスとして足で踏んでボールを出す装置が紹介されているのですが、今回使われていたのは上の写真のような壁みたいなもの。チームによって形状が少し異なっていましたので、一定のレギュレーションに基づいて各チームで用意しておられるように思いました。
# 勘違いしていたらすみません。

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先行犬が戻って来てポールを越えた瞬間に次の犬が通過するよう、タイミングを合わせるのが難しそうですね。ギリギリの距離で猛スピードですれ違うのでスリリングです。出番を待つ犬達が興奮でワンワン吠えまくっているのが見ている人間の気持ちも昂らせていました。
どんくさいファルコには絶対にできない競技ですが面白かったです。

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次、Agility にいってみましょう。
実はこの競技も生で見るのは初めてでした。奥が深そうだし、見ていてもとても楽しいものですね!
いくつかのクラスを観戦したので、ボーダーばかりじゃなくいろんな犬がトライしているのも楽しめました。スタンダードなカットを施したベドリントン・テリアなんかも出場していましたよ。

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犬の性格や運動能力によってもハンドリングの仕方は自ずと異なってくるのでしょうが、同犬種であってもハンドラによってコントロールの方法が全然違っているのが面白かったです。結構太った方で人間の足が遅くても良い成績を出されたり、犬がコースがわからなくなって困っているのが伝わって来たり...
犬の能力以上にやはりハンドラの資質、能力が重要なんだなぁと実感しました。

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冷静な視線で犬を見ておられるのはジャッジの方。-5点じゃなく何か半端な減点が付くのは理由が良くわかりませんでした。
アジリティもファルコにさせるのは向いてなさそう(身体に負担をかけそう)ですが、一度くらい(速度を求めずに)挑戦してみたいなと思っています。
# すぐ感化されるヤツ!ふらふら

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Heelwork to Music のフリースタイル競技。
International部門で2位になられた、Linda De Smet氏と Ebyの演技です。エキゾチックな演出がたっぷりで楽しめました。土曜日のお披露目演技では最後に籠のフタを閉め損ねてやり直したのはご愛嬌。

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International部門の優勝者です。今回のCruftsでは Richard Curtis氏と Pogoの演技は非常に高い評価を受けたようですね。大工さん?のコミカルな演出が面白かったですよ!

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最終日、Best in Showの前に披露された Mary Ray御大による模範演技?。
やっぱり二頭を見事にコントロールされているのには圧倒されました!

もちろん会場ではもっとたくさんの写真を撮って来たのですが、ドッグスポーツの紹介用に選んだものは、ほとんどボーダー・コリーばっかりになっちゃってますねぇ... 恐るべし、ボーダーのアスリート力!

余談ですが、この日曜日に初めて会ったちょっと肥満気味のボーダー連れのご家族とお話ししていて、"スポーツ万能のすごい犬種ですよね!"と言ったら、"えっ、本当ですか?"と真剣に驚かれてました。どんなつもりで一緒に暮らすことにされたんでしょうねぇ...もうやだ〜(悲しい顔)

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他の犬種の活躍も記録しておかねば! ということで、Southern Golden Retriever Societyによる団体演技(カドリールって呼んで良いのかな?)です。
たしか 16ペアのハンドラとGRが一糸乱れぬ(とまでは言えないシーンもあったけどわーい(嬉しい顔))陣形の変化を見せてくれるのは新鮮で見事でしたよ。
年配のハンドラの方が多かったのも、歳をとってからも犬とアクティビティを楽しめるということを実証してくださっていて好感が持てました。

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RAF Displayというプログラムの一シーン。Royal Air Force (RAF) Police Dogs、つまり軍用犬/警察犬によるデモンストレーションです。この場面は、左上に小さく写っている犬(犬種はよくわかりませんでした)が、複数の容疑者?の荷物の中から爆発物を探し出すといった内容だったと思います。

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Canine Partnersによる介助犬のデモンストレーション。ベッドから人を起き上がらせたり、靴下や手袋を脱がせたり、洗濯物を洗濯機から取り出したり... さまざまな介助の仕事をこなす実演をしておられました。この写真はラブラドゥードゥル(?)が松葉杖を持ってくるシーンですね。

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世界中が祈ってるでも少しだけ紹介した Friends for Lifeの最終発表のプログラム。電話投票の結果、"四つ足のヒーロー達"の一位に輝いたのは、左に写っている Joanne Daly氏とゴールデンドゥードゥルの Kaiserでした。ちなみに、この犬は上述の Canine Partnersの犬だそうです。でも、5組のどのペアも素敵な話(ビデオ)を見せてくださいました。大拍手の渦でしたよ。

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Friends for Lifeの表彰の後、いよいよ最後のプログラム Best in Showの審査が始まりました。Cruftsでは、犬種ごとに Best of Breedが一頭勝ち残り、一日の終わりに犬種グループの勝者(Best in Group)を一頭だけ選び、最後の最後に7つのグループの勝者を集めてその年のNo.1(=Best in Show)を選考するのです。
そして、今年選ばれたのは Flat Coated Retrieverの Jetでした!

というわけで、初めての Crufts見学の記録はこれでおしまいです。ホテルに帰ると日本のことが気になって仕方なかったのですが、会場にいる間は、なんだかんだ言ってても結構楽しんで来させてもらいました。
地震の影響で、今年のFCIジャパンインターナショナルドッグショーは中止になってしまったようですが、一度日本のドッグショーも見学に行ってみたいと思っています。

ファルコの写真も少し。

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先週の日曜日、三人でお得コースを歩いた時の写真です。

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ついでにもう一枚、今週の日曜日のものも。
新しく手に入れたレンズ(中望遠の単焦点でマニュアルフォーカスなので、はっきり言ってお散歩時には使い辛い代物)で撮影してみました。
posted by Tosh at 23:36| Comment(0) | イギリス

2011年03月31日

Cotswolds駆け歩き

イギリス旅行の3回目。コッツウォルズ編です。
今回は犬はあまり出てきませんがご勘弁を。

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Crufts最終日の Best in Showを観終わった後、レンタカーで Warwickに移動しました。次の朝に散歩がてらにウォリック城を見に行きたかったからです。
愛車の Austin Healey (の前身の Donald Healey Motor Company)はこの街で生まれ、そのマークにはこの城の意匠が用いられていたのです。現在はマダム・タッソー・グループが所有する遊園地みたいなものになっているらしいので外から眺めただけなんですけどね。

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宿泊したのは市の中心部にある小さなホテル Rose and Crown。(Crufts価格の)Hiltonの 1/3くらいの値段でしたが、部屋の広さや居心地の良さはこちらの方が上でした。夜に移動してきて正解!

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Warwickの目抜き通り?の中に The Blue Crossの看板を発見しました。何やらブティックのようにも見えるので看板をチェックしてみると、大人の服や鞄など寄付してもらったものを販売しておられる場所のようです。

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3年ほど前、初めてイギリスに行った時の目的は Goodwood Festival of Speedというクルマのイベントを見学すること(と、コッツウォルズを楽しむこと)でした。今回の旅では車関係は控えめにして、この Heritage Motor Centreに立ち寄るだけにしました。すごく面白かったのですが、ブログの主旨からズレまくるので、割愛しますね。

ここから先は特に行き先を決めてはいませんでした。前回は Public Footpathをのんびり散歩したり、ガーデンを巡ったりと、この地方の自然を楽しんだのですが、今回は街と人と犬を見て回るのが目的です。気になっている街の名前をレンタカーのナビに打ち込んで気ままに移動します。

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通りかかったので立ち寄ってみることにした Stratford-upon-Avon。ナローボートが多数浮かぶ Avon川の畔、Bancroft Gardensには犬連れの方が何人もいらっしゃいました。いつか、カナルボートにファルを載せてのんびり川旅をしてみたいものです。
ポカポカとした散歩日和で、川縁にはサクラの花も咲いていました。北海道よりずっと北(樺太の中央辺りの緯度)なのに日本より春が早いってのは不思議な感じですね。

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イギリスの中でも茅葺き屋根の家が多く残るという Chipping Campdenに到着。蜂蜜色のライムストーンのかわいい家が並ぶ中に、数軒の Thatched Roofがありました。職人さんが少なくなっているそうなので、傷むのを極力抑えるためか金網で覆われているものも。もっとたくさん並んでいるかと思っていたので、ちょっと期待はずれでした。

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かわいらしい犬のマークのギフトショップがあったので紹介しておきましょう。置いてあるものも、私達の趣味に合うものが多かったです。チェーン店のようで、別の街でもみかけましたよ。

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夕方になり、宿泊施設に向かう途中で見かけた光景。今回もホーストレッキングしている方には時々出会いました。正装がバッチリ決まってます。カッコいいなぁ!
万が一コッツウォルズに移住できたとしても、馬は飼えないかもなぁ...

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この日のお宿は Charingworth Manorというマナーハウス。前回の旅では、日本人にも人気の高い Lords of the Manorにも泊まったのですが、部屋に関しては今回の方が良かったです。サービスは今ひとつでしたけど。

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コッツウォルズ巡りの二日目、Stow-on-the-Woldに立ち寄りました。とある店先に RSPCAの募金箱(犬の形をしてるの)を発見。
この街も骨董店やギャラリーが多かったです。Cotswold Galleriesという店で面白い絵を見つけて小さいの一点だけ買ってきたのですが、そこのオーナーさんはラブラドールを9頭も飼っておられる方でした。

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Bourton-on-the-Waterです。中心部を Windrush川が流れ、そこにかかる石の橋が何とも言えない良い雰囲気を醸し出しています。たしかに"観光地"っぽくもあるのですが、今回一番のお気に入りになった街です。

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川の周りの公園を犬連れで散歩している人も多かったです。
# MOTOR MUSEUMはギフトショップを覗くだけにしました。

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この街で印象的だったのは、川縁のベンチでのんびり川を眺めてくつろいでおられる老夫婦が多かったこと。杖をついておられたり、片方が電動カートに乗ってきておられたり... イイ感じでしたよ。
上の写真は、対岸を2台のクラシックカーが通りかかったところです。判別できるかなぁ?

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最後に訪れたのは、イギリスに詳しい知人から最も好きな街と聞かされていた Burford。時間に余裕がなかったので少し通りを歩いただけですが、ここも素敵な街でした。丘陵地に街が広がっているので、遠くの丘が見えたり、坂に並ぶ建物が美しかったり。それほど観光地色は強くなく、生活感のある街でした。
ただ一つだけ、街の中に川が流れていないのは少し残念かなぁ。上の Bourton-on-the-Waterや、前の旅で好きになった Lower Slaughter、Bibury、Castle Combeなどは、みんな小川がアクセントになってましたから。

今回のコッツウォルズは、本当に駆け足で気になっていた街を巡っただけ。ちょっと欲求不満も残っちゃったのですが、ゆっくり歩くのはまた次の機会の楽しみにしておこうと思います。
どの街でも犬を連れた方々を見かけることができました。でも、意外に小型犬が多く、ラブラドールよりも大きな犬は一度も見ませんでした。また、街の中では、(当然かもしれませんが)オフリードで散歩している方はいらっしゃいませんでした。リード付きとは言え、みんなお利口にゆったりと飼い主さんの横を歩いてましたよ。

Burfordを後にして向かったのは、初めて訪れる London。その記録は次回にしますね。


さて、黄色いスイセンがあちこちで咲き誇り、サクラまで花開いていた春のイギリスから戻ってみると、ファルコ地方はまだ冬でした。帰ってきた日も雪でしたし...

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庭のサクラの蕾はまだ固く、赤い花をつけているのは梅だけです。

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玄関前のミツマタは花盛りになりました。もうすぐ春ですね。
posted by Tosh at 23:34| Comment(3) | イギリス

2011年04月02日

Londonの"人と犬"達

今回のイギリスの旅では、最後にロンドンを訪れました。
3/15の夕方、国際宅急便で荷物を送るためにピカデリーサーカスの三越に車を走らせたのですが、交通事情の厳しさにびっくりしました。市の中心部は渋滞もひどい上にギリギリに幅寄せするのが当たり前な感じで、ドキッとさせられることも何度か。レンタカーを返してホテルまでキャブを拾ったのですが、そのキワドい運転と言ったら、京都のタクシーも裸足で逃げ出しそうなほど...
郊外を走っている時には、みんな飛ばすけれどマナーが良い(クルマとの付き合いが成熟している)国だなぁと感じていたのですが、都心部で運転するとストレスが溜まりそうに思いました。まぁ、日本だろうが英国だろうが、私はもう都会には住むつもりはないのであまり関係ないのですが。

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犬と人との付き合い方を見て来たいという思いの旅。ロンドンで一番行きたかったのはハイド・パークでした。とは言っても、The Surpentineより西側は Kensington Gardensなんだということもわかっていなかったので、実にイイカゲンな思い込みだったわけですが...ふらふら
帰りの Heathrowまでの交通の便も考えて、Corus Hotel Hyde Parkを予約してありました。上の写真の真ん中の建物なのですが、この道路を挟んで南側にはケンジントンガーデンが広がり(部屋の窓からも公園が眺められました)、両公園をつなぐ Marlborough Gateの入り口まで 100mというロケーション。
朝食を食べ終わると、あいにくの曇り空(&ガス)を恨めしく思いながらも、そそくさと散歩に出かけました。

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入り口すぐの所にある The Fountainsと呼ばれるエリア。
犬の写真の看板は、"このエリアでは犬をリードに繋いでください"というものですが、その理由は"水鳥を護るため"と書かれています。なんかイイ感じでしょ!

Kensington Gardensの利用規則が5項目掲示されているポスターも見かけましたが、その内の2つは犬に関する項目でした。
一つ目は、"犬は歓迎します。でもちゃんとコントロールしておくこと。犬を放していい場所とリードに繋ぐべき場所を守ってください"というもの。なお、リードが必要な場所は、ここを含めてごく一部だけのようです。
もう一つは、"汚したままにするのは違反です"というもの。あちこちに設置されている Dog Waste Binに片付けろということのようです。

能書きはこれくらいにして、両公園内の雰囲気を写真中心で紹介しましょう。

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どこの国でもラブラドールは同じですね。飼い主さんが放ったボールを尻尾ブンブンさせながら銜えて来ては、足下にボトッと落として瞳をキラキラさせながら投げてもらえるの見上げてましたよ。わーい(嬉しい顔)

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Kensington Gardensの側を The Long Water沿いに少し歩くとピーター・パンの像があります。彼はこの公園で迷子になってしまったんですね。

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公園内は、いたるところに犬連れでのんびり散歩している人達がいらっしゃったのですが、こうやって一緒にジョギングしている人も何人か見かけました。

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これもそんなペアの写真。おじさんはストップウォッチ片手の本格派?ですが、あまり足が速そうじゃないブルテリア君は遅れて到着という図です。

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左の丸いのが一般用のゴミ箱、右の箱が犬のウ○チ専用です。
彼の国では、この処理のためにずいぶん税金が使われるそうで、そのために犬の入れない公園も増えてきているとどこかで読んだことがあります。そんな理由で規制をかけなきゃいけないのなら、日本のように飼い主が持って帰る習慣をつければ良いのになと思ってしまいますね。

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ハウンド系(たぶんクロス)のこの犬は左後肢がありませんでした。でも、他の犬とあまり変わらない速度で駆け足して仲良く遊んでいるのが妙に嬉しくてシャッターを押したものです。

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サーペンタイン橋を渡って Hyde Park側を歩きます。
コッツウォルズもそうだったのですが、あちこちで(特に水辺では)人に馴れた鳥達をたくさん見かけました。

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そこらじゅうで、(おそらく)知らない犬どおしが出会っていたわけですが、一度も吠えて威嚇するといったシーンは見かけませんでした。たいていはちょっと挨拶し合って(場合によっては少し一緒に遊んで)、それぞれの飼い主の方に戻るというパターン。
犬種や躾の影響もあるのでしょうが、やはりリードで繋がれてなければ(自由と自信を与えられていれば)、うまくコミュニケーションできるってことなんでしょうかね?

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飼い主と犬の距離が結構離れていること多いのにも少し驚かされました。中央に写っているペアはかなり近い状態です。後ろの子なんか誰が飼い主なのか、よくわかりませんでしたもの。
複数の飼い主さんの犬どおしが走り回って遊び始めても、人間の方はそれを気にすることなく、それぞれ自分達のペースでそのまま歩き続けるという光景も何度も目にしました。そのうち戻ってくるという信頼関係がきっちりできているようですね。

というわけで、ハイド・パーク、ケンジントン・ガーデンズで見かけた人と犬の散歩風景には、(もともとそういうものだと聞き知ってはいたわけですが)やはりカルチャーショックを受けました。
数十頭の犬を見かけたわけですが、リードで繋がれていたのは2-3頭だったはず。遊んでいる興奮で吠えたのは聞きましたが、何のトラブルも起こらないし、飼い主が慌てているシーンも皆無。もちろん犬連れではない方が嫌な顔をする(あるいは避けて通る)なんていうことも全くなかったはずです。

日本のあちこちの公園(やドッグランで)で繰り広げられる(と聞いている)狂想曲との違いは何がもたらしているんでしょう?
ただ羨ましいと思うだけではなく、この成熟した(と私には思われる)関係に少しでも近づける努力をしたいと強く胸に刻んで公園を後にしました。


ロンドンの他の場所も少しだけ。

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カミさんがここだけは行きたいと言ってたのが The Sherlock Holmes Museum。
Paddington駅構内で荷物を預けて、Baker街まで歩いて出かけました。隣にあった Beatles Storeもいろんな面白いものが並んでいて楽しめましたよ。

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もう一カ所、私がロンドンでどうしても行っておきたかったのが Battersea Dogs & Cats Homeです。
Crufts展も120回目ということで、その歴史の長さに驚かされたわけですが、こちらは更に上をいく 150周年を昨年迎えたというレスキュー組織の草分け。Mary Tealby氏が設立したのは 1860年だそうです!

施設内は撮影禁止なので写真はありませんが、メイン・オフィス、譲渡希望者が面接を受けているところ、新しい飼い主を待っている犬達の部屋などを見学させていただきました。
ネットで見かけたことのある TierheimDogs Trustの最新の施設に比べると少し古い印象も受けましたが、おそらく日本では考えられないレベルの生活環境を保護動物達に与えておられました。
譲渡可能犬の部屋は中心となる建物の2階から4階までに200数十設置されています。一つの部屋には一頭ずつが収容され、おおよそ 2m X 3mの個室部と、二頭(二部屋)で交互に使用すると思われる 1m X 4mくらいのバルコニーが(つまり一頭当たり約8uくらいの空間が)用意されています。多少臭いはありましたが、常に清潔を保つような最善の処置がなされているように思います。また、ボランティアの腕章を付けた方が、一頭ずつ引き出して散歩に連れて出られるのも見かけました。

200頭あまりを見て歩けたのですが、そのほとんど(9割以上)が Staffordshire Bull Terrierとそのクロスが占めていることには驚かされました。残りは Akitaや Rottweilerなどが少しだけ。難しそうに思える犬種ばかりなのですが、見学できたのは全てお見合いができると判断されている(Batterseaが管理している中の一部の)犬だということを考えると、きっちりした飼い主候補が応募して来られるということなのかもしれませんね。その時はスタッフォードシャーの大量レスキューでもあったのかと思いましたが、帰国後に検索してみると、伝統的?にバタシー(ロンドン本部?)ではこの犬種の収容数が多いようです。
ある意味で悪名高い犬達が不用意に繁殖させられているという厳しい現実の一端を見せつけられたということだったようです。

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バタシーから市の中心部に戻る際に、初めてダブル・デッカーに乗りました。更にパディントンに移動する時にはチューブも。
実は、ロンドンバスや地下鉄では、犬連れの方が当たり前のような顔をして乗っておられるのに遭遇できたらなぁと期待していたのですが、残念ながらそれは叶いませんでした。ちょっと残念。ふらふら

大災害のこと、初めて長期間に渡って預けてきたファルコのことが気になり続けた一週間でしたが、予定を繰り上げて帰るのが困難だと諦めた時からは、せっかくの機会を活かしたいと気持ちを切り替えて(不謹慎かもしれませんが楽しみながら)いろんなものを見てくることができました。
今後それらをどう利用していけるかが私の課題だと認識しています。


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ロンドンの公園で楽しそうに散歩する犬達を紹介したので、ファルコのルンルンな散歩シーンも一枚。

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長いお留守番をさせて申し訳なかったね。
きっとその埋め合わせはするから!
posted by Tosh at 23:57| Comment(3) | イギリス