麓の町では桜が満開になりつつあります。
若い頃は"桜の良さ"があまりわからなかったのですが、歳を重ねるとともに、寒い冬に耐えた後、一気に花を開かせる生命力、その美しさに毎年感動するようになりました。
さて、唐突なんですが、実はファルコは健康面での懸念を抱えていました。
3/7にファルコの左前肢の手首の内側の骨が、右に比べて明らかに出っ張ってることに気が付いたのです。痛がる様子もないし、気にしているようにも見えないので、以前に軽い骨折でもしてたのに気付いてやれなかかったんじゃないか?くらいに思って、かかりつけの病院に連れていったのは 3/9のことでした。
前腕骨二本のアンバランスな成長が原因かもしれないと説明くださり、レントゲンを撮っていただくと、骨は正常に発達していて、固くとんがっているところは軟組織だそうです。さらに、その下の骨の表面が少しだけ荒れたようにも見えるとのこと。
針生検をしてみましょうとおっしゃる先生の顔が曇っていて、念のために専門家にも診断を依頼したいと二回目の採取をされるに至っては、悪性腫瘍の可能性があるのだと気付かざるをえませんでした。
先生の検鏡診断では、慢性炎症による腫れと、何らかの腫瘍の両方の可能性があるということで、その筋の権威による診断結果は一週間後に出ると説明を受けて帰宅しました。
実は私はかなり心配性なもので、ネットでいろいろ調べてみると...
獣医師が一番心配されたのは骨肉腫の可能性なのだとわかりました。そして、犬の骨肉腫の怖さもその時に初めて知ったのでした。
以前飼っていたフェレットの一頭が、若い時に悪性リンパ腫にかかり、あっという間に進行して助けられなかった経験があるので、まだ1歳半のファルが悪性腫瘍だったらと考えると気が気でなくなりました。
骨肉腫であることも想定するなら、専門家の診断を待たずに、予防的に抗ガン治療を始める方が良くないのだろうかとド素人なことを考え、実際に先生に電話をかけて困らせたりもしてしまったのです。
心の乱れを押さえ込むように、平静を装ってブログ等を続けてはいましたが...
週があけ、専門家の先生の診断でも明確なことはわかりませんでした。ただ、しこりが大きくなっていないことや年齢等も併せて総合的に判断すると、慢性炎症性の腫れ、線維腫、線維肉腫の可能性が高く、骨肉腫や軟骨肉腫の可能性はむしろ低いだろうとのことでした。
まだ病変が進んでいないため、どれであるかを特定するための生検も腫瘍マーカも精度が期待できないし、切開するのは体への負担を考えると得策ではないだろうとのことで、(アカラスの治療中でもあるので非ステロイド系の)抗炎症薬を投与して様子をみることになりました。
一週間後、しこりは少し小さくなっていました。少し安堵しながらも、消炎薬の量を減らして、さらに一週間。
そして、昨日診てもらったところ、明らかに目立たなくなっているということで、(悪性)腫瘍の可能性はほぼ排除できると診断していただけたのです!
3週間ぶりに、ようやく人心地ついた瞬間でした。先生も(骨肉腫の悲惨さをよくご存知なだけに)、"ひょっとしたら私が一番ほっとしているかもしれません"と喜んでくださったのも嬉しかったなぁ。
動物病院からの帰り道、桜並木がほぼ満開になっていました。
小雨が降っていたので艶やかさは半減していますが、桜が咲きほこることを、こんなに喜びと結びつけて感じられたことはありません。
サクラサク!
本当に良かったねぇ! ファル。